帝光中学バスケ部○○期生、一軍のうち5人は、別名 “キセキの世代”と呼ばれる
全中三連覇を目前にした帝光中学はまさに日本の中学バスケ部、いやバスケ界の伝説となりつつあった
土曜日の朝早く、帝光中学の体育館にドリブルの音が響く
体育館でひとり練習をしていた黒子テツヤはふと、部のスローガン「百戦百勝」が書かれた旗を見上げた
「でも・・・本当にバスケは勝つことだけがすべてなんでしょうか・・・」
ただバスケが好きだった黒子は、なによりも勝利に固執するチームにどこか違和感を感じていた
シュッ
「っ!」
突然、横から飛んできたのは、バスケットボール
黒子は持っていたボールを落とし、自分にむかって飛んできた方のボールを受け止める
黒子が持っていたボールはバウンドしながら転がって、ボールを投げた中学生の足元でとまる
「いい反応だぜ テツ」
「・・・危ないですよ。青峰君」
黒子にボールを投げた青峰大輝は黒子が落としたボールのほうを拾うと慣れた手つきで指一本の上で回す
「・・・最近は練習をサボっていたのに青峰君が体育館に来るなんて珍しいですね。桃井さんに言われたんですか?」
「ちげーよ。妙な予感がしてな・・・テツ、てめーがバスケ部をやめるって本気か?」
「はい。今度の全中決勝が終わったら・・・僕は帝光中学バスケ部を辞めます」
「・・・そうか」
「・・・やっぱり、止めないんですね・・・黄瀬君や桃井さんだったら泣いて僕を止めましたよ」
「もう、今の俺(光)にお前(影)は必要ねぇよ。おめぇが居なくても俺は強い。さつきはともかく、黄瀬だってテツに頼らず一人で十分やってけんだろ」
「バスケは一人で戦うスポーツじゃありません。・・・それに昔の青峰君は、いつも楽しそうにバスケをしていた・・なのに・・・」
「テツ、そういう理屈は俺に勝ってから言え。・・・まぁ・・・俺に勝てるのは俺だけだ」
「勝ちます。でも戦うのは僕一人じゃありません。青峰君よりも強い光をもつ相棒を見つけて・・・!」
青峰と別れてまた一人になった黒子は、青峰が投げてきたバスケットボールでシュートを放った
ボールはゴールに届かずに落ちる
「一人でも強いのは青峰君だけじゃない、キセキの世代のだれにも僕一人で勝つなんてことはできない」
黒子は窓から差し込む太陽の光を浴びて伸びる自分の影を見つめる
「キセキの世代に並ぶ・・・キセキの光・・・今の僕にはそれが必要なんだ・・・」