2022年4月12日現在
保険診療について調べたことのまとめ
主に厚生労働省が令和4年3月31日に発表した疑義解釈資料(70ページ目以降)に基づいています。
①43歳の年齢制限や回数制限があるのは特定不妊治療のみ
タイミング法、人工授精は年齢も回数も制限無しで保険診療可能
基準日(治療計画作成日)に
40歳未満:1子につき6回保険で移植可能
40歳以上43歳未満:1子につき3回保険で移植可能
※39歳の人が1回採卵、2回移植して出産に至った場合の保険使用回数は2回
2人目治療開始時に40歳を超えていても、第2子の保険利用可能回数は4回となる
②2022年3月までに自費で(助成金)採卵した凍結胚
・保険で移植可能(問78,79)
・自費でも移植可能
・移植せず凍結したまま保険採卵可能
※クリニックによってはNGという所も
・2023年3月までに、1回に限り助成金を使って自費移植可能(問23)
※自費移植の前に保険採卵&移植&妊娠した場合は、助成金は貰えない
③2022年4月以降に保険適用で採卵した凍結胚
・1回は保険で移植しなければならない
・2回目以降の移植は、医師の判断を元に自費移植可能
(先進医療とならなかったオプションを利用する、保険適用とならなかった薬剤を使う等の理由)
・保険適用で採卵した凍結胚がある場合は、続けて保険採卵はできない
※医師が必要と判断した場合は採卵可能(問48)
例)2個移植するという治療計画を立て、1回目の保険採卵で3個の凍結胚があって、2個移植して、残り1個の状態なら、2回目の保険採卵は可能となる等
・特に何も理由が無ければ、1回の採卵で複数凍結した胚を、6回(40歳以上は3回)移植すれば保険診療終わり
④2022年4月現在で42歳、9月29日以前に43歳になる人でも、9月30日までに治療開始していれば1回は保険診療可能(問29)
⑤変性卵しか取れなかった、既に排卵していた、未成熟卵のみ等の理由で受精卵を得られなかった場合、保険回数を減らすことなく次の採卵が出来る
(問47前後、問81)
⑥凍結胚は最長3年保管可能(問64)
※凍結から1年経過後は自費で延長も可能(問75)
厚生労働省 令和4年度診療報酬改定
医科点数表別表より
民間生命保険(医療保険)で手術給付金を請求できるかもしれないリスト
・人工授精(K884-2)
・採卵術(K890-4)
・体外受精・顕微授精管理料(K917)
・受精卵・胚培養管理料(K917-2)
・胚凍結保管管理料(K917-3)
・胚移植術(K884-3)
※上記全て、保険診療で手術として請求されます
※給付金の可否はご加入の保険会社にお問い合わせください
不妊治療の保険診療が始まったばかりで
クリニックによっては、これはNGということも多々あると思います。
疑義提案書を見ると、自費採卵→保険移植への変更については書かれていますが
保険採卵→自費移植への変更についてや
自費採卵の貯卵がある場合の保険採卵についての記載はありません。
厚生労働省は、自費診療分に関しては無関係ですので記載がないものも思われます。
記載がないからOKとするクリニックもあるでしょうし
またその逆(記載はないけどNG)もあるかと思います
疑義提案書の内容を患者側から提案してみるのも手かもしれません。
まだまだ擦り合わせが足りない、まさに過渡期。
患者側も、今まで以上に程度知識を持って治療に挑む必要があると感じています。