映画「向田理髪店」の 正しい作り方(監督日誌)

映画「向田理髪店」の 正しい作り方(監督日誌)

2022年10月14日(金)〜新宿ピカデリー他全国公開する
映画『向田理髪店』の企画から公開決定にいたるまでを
脚本・監督を務めた森岡利行の目線で語りつくします!

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近藤芳正さんが経営する電気店のシーン。

近藤さんとは昔、まだ晴海で展示があった頃、一緒にバイトしていた覚えがあった。

 

 

「森岡さん、昔はギラギラしてて、怖かったもん」と言われた(笑)。

そうなのだ、わたしはバカ役者だったのだ。

 

役者バカは役になりきる人のこと、バカ役者は体裁ばかり気にする才能のない奴だ(笑)。

まさしくわたしがそれだった。

 

今ではそんな奴のことを「クソ野郎」と言っている。

自分が昔そんな役者だったから、ダメな役者はすぐわかる(笑)。

 

わたしみたいだからだ。

いい役者は高橋さんや近藤さんみたく

(この二人も昔から仲がいい)運と縁と才能でのし上がっていく。

 

 

高橋さんにはそんなエピソードも今回の現場で色々聞かせて貰った。

そういえば、わたしが脚本家になって初めて連続ドラマ

(中森明菜主演『ボーダー 犯罪捜査心理ファイル』を書いた時、

初回の放送が終わったらすぐ高橋さんから「面白かったよぉ」と電話があった。

 

 

午後から向田理髪店のシーン。ここでまとめて理髪店のシーンを撮影する。

夜、原作にはないわたしの書いたオリジナルのシーンを撮影した。

 

白洲くんのセリフはほとんどない。

母親役の富田さんが取材で「なんで出演を決めたンですか?」という質問に

「この脚本に言いたいセリフがあったから」と言っていたが、

このシーンだと嬉しいナ。

 

 

今度、聞いてみようか。いや怖いな(笑)。だってこのシーン、

富田さんのセリフ、「ガーッ」ととか「ブワーッ」ととか擬音しかないんだもん(笑)。