近藤芳正さんが経営する電気店のシーン。
近藤さんとは昔、まだ晴海で展示があった頃、一緒にバイトしていた覚えがあった。
「森岡さん、昔はギラギラしてて、怖かったもん」と言われた(笑)。
そうなのだ、わたしはバカ役者だったのだ。
役者バカは役になりきる人のこと、バカ役者は体裁ばかり気にする才能のない奴だ(笑)。
まさしくわたしがそれだった。
今ではそんな奴のことを「クソ野郎」と言っている。
自分が昔そんな役者だったから、ダメな役者はすぐわかる(笑)。
わたしみたいだからだ。
いい役者は高橋さんや近藤さんみたく
(この二人も昔から仲がいい)運と縁と才能でのし上がっていく。
高橋さんにはそんなエピソードも今回の現場で色々聞かせて貰った。
そういえば、わたしが脚本家になって初めて連続ドラマ
(中森明菜主演『ボーダー 犯罪捜査心理ファイル』を書いた時、
初回の放送が終わったらすぐ高橋さんから「面白かったよぉ」と電話があった。
午後から向田理髪店のシーン。ここでまとめて理髪店のシーンを撮影する。
夜、原作にはないわたしの書いたオリジナルのシーンを撮影した。
白洲くんのセリフはほとんどない。
母親役の富田さんが取材で「なんで出演を決めたンですか?」という質問に
「この脚本に言いたいセリフがあったから」と言っていたが、
このシーンだと嬉しいナ。
今度、聞いてみようか。いや怖いな(笑)。だってこのシーン、
富田さんのセリフ、「ガーッ」ととか「ブワーッ」ととか擬音しかないんだもん(笑)。