「お前、な。何か忘れてないか?すっげ~大事なコト。」

俺は真っ直ぐ弟の瞳を見つめる。
弟は真っ直ぐな曇りひとつない瞳で見返してくる。
「えっ?忘れてること…なんかねぇと思うケド…。あっ!」
そうそう、超~大事な部分だよね~ソコ。
「俺、プー太郎だワ。アレからずっと何年も引きこもりしてたから、仕事してねぇ~ワ。結婚すんだもんな。いくらベリーの家が超~豪邸の桁外れな金持ちとはいえ、旦那が無職ってどうよ?あッ!でも待てよ。王宮に入るってそれだけで仕事って言えるのかなァ?兄ちゃん!?」

知らんがな―――ッ!
何か変だよ、この会話の流れ。
っつ~か、あの金髪バカの事ベリーとか呼んでんのォ?お前ッッッ!
何だよソレ?
何かこそばゆいよソレ?。
まさかあのバカ、面白がって、ダーリンvvvとか言ってんのかァ?
「ベリーちゃんの旦那になるっつーのに ダーが無職ってどうよ?まずくね? なァお兄ちゃん ダーはどうすれば良いんかなァ?教えてッ!エロい人ッ!」

知らんがな―――ッ!!!
ッつ~か、ダーって呼ばれてんの~お前ッ?やっぱ期待を裏切らないよなァ、お前らッ。何だァ?このグズグズな会話ァ?
ってか、何でいきなり俺エロい人ォ?ッ!?いや、エロいけども…っつ~か男は皆エロいですゥ!
って、そうじゃねぇだろ!
ダメだ。このままじゃコイツのペースに巻き込まれる…。
それに、そんなすがるような瞳で見つめないでくれるゥ?お兄ちゃんそんな瞳で見つめられると…いやいやいや、違うよねェ。問題ソコじゃあないよねェ?もっと…、こう…ねぇ。
根本的な根っこの部分の問題だよねェ?お兄ちゃんが言いたいのは…さァ。