バケツの水は、濁っていました。
黒と、緑と、茶色の混じった色です。
毎日見ていました。見ていたはずだったのに、気付いたのはもう泥臭くなってからでした。
毎日水をこまめに替え、綺麗にしていたならば、水は美しさを保っていたかもしれません。
なのに、替えませんでした。
見て見ぬふりをしていたのでしょうか。
忙しさを理由に、できない、を理由に、水に優しくすることを忘れていました。
目の前には、濁った水です。
「黒と、緑と、茶色。」
ああ、気付いてしまった。
この水は、棄てるしかない。
棄てて、新たな水を入れる。
水は、濁りを少し残しながら、
新しい水へと変わりました。
全てをやり直すことは、できませんでした。
わたしは、なんのために水を貯めているのでしょうか。
貯めた水は、いつか溢れてしまうのでしょうか、、。
「そうならないように、そうしないために」
水に、優しく。
水を、大切に。
忙しさで、心を亡くさないように。