結婚していた頃、私は「人」でも「妻」でも「女」でもなく、ただの「嫁」だった。
嫁の仕事は、家のことをすること。
子供を産んで育てること。
お金を稼ぐ必要はないけれど、家のことすべてが私の責任。
自治会、役員、雑務。
すべて嫁の仕事として当然のように割り振られていた。
嫁としての立ち位置が、私という人間のすべての評価基準だった。
離婚を機に、私はそこから解放された。
自分の意思でというより、結果的に解放された形だったけれど。
離婚して4年ー
元夫の実家では今、義父に介護が必要になり、義母が老老介護の生活を送っている。
私があの家にいた頃、義母によく言われていた言葉がある。
「介護はお願いね」
でも、もう私の仕事ではない。
義母はかなり参っているらしい。
それでも絶対に元夫には迷惑をかけないようにしているという。息子を守るために。
息子を溺愛する母
義母は昔から元夫を溺愛していた。自分の息子のために尽力を尽くす母親だった。
息子が不倫をしても見て見ぬふり。
庇って、庇って。
嫁の私にも表向きは良い顔をしながら、最後には「私はあの子の親だから」と、不倫をした息子を庇い続けた。
そして息子夫婦の離婚を機に、義父の認知症が急速に悪化し、本格的な介護生活が始まった。
因果応報なのか
これが因果応報というものなのかは分からない。
噂で聞くのは、義母が辛そうにしていること、義父の介護状況が厳しくなっていること。
それでも息子を呼び戻さず、今もなお庇い続けている義母には、正直なところ呆れてしまう。
私はもう他人だから関係ない。
それでも、あそこにいなくて良かったと、娘すら言ってくれる。
私は運が良かったのかもしれない。
複雑な気持ち
今は幸せだ。でも、お世話になって、可愛がってくれた義父のことを思うと、少し心が痛む。
複雑な気持ちだけれど、これが今の私の正直な思いだ。