6巻で慣れ果ての村に着いたリコたちですが、そこでレグは慣れ果ての姫ファプタに出会います。彼女はどうやら記憶を失う前の彼を知っているようでした。
リコに名付けられる前に成れ果ての村にいた時からレグという名前だったこと、最も高い価値の「ハク」を連れてくるとファプタに言っていたことが明かされます。
そのハクという存在がレグと旅をともにしていたリコのことなのか、それともナナチのことなのか聞くファプタ。レグは記憶がないので答えられませんでした。
始めて出会いの時、原生生物に襲われそうになっていたリコを助けたレグ。そのあと町中の電気を吸い尽くすほどの強力な電気で目を覚ましましたが、おそらくその時に記憶もなくしてしまったようでした。
しかしこれも偶然の事故ではなく、何か意図的なものだとしたらまた話は変わってきます。どちらにせよ、レグがどんな経歴を辿ってきたか、記憶を失う前の話はかなり重要になってきそうです。
そんな彼の目的が、リコという、ハクとも言えるほど大事な存在を深界に連れ戻すことだったのだとしたら、初めて出会った彼が彼女を助けたことにも納得がいきます。
アビスの2000年の周期に関して、リコがもしかすると何か鍵を握る人物なのかもしれません。だとすればリコが生まれてすぐに深界の方へ這っていったというのも理解できますし、彼女の水晶体を通してものを見なければ頭痛が起こるというのも呪いではなく祝福として何か意味を持ってきそうです。
『メイドインアビス』をネタバレ考察9:レグとファプタの関係は?
以前に来たレグが自分が知っている人物と同じかどうかを確かめるファプタ。彼のお腹の中に自分の爪を差し込み、それを舐めて同じ味だと言って同一人物だとみなします。
そして「ファプタのレグ」だと言い、あまりにも調べるために自分の体にむやみに爪を突っ込んでこようとするファプタに悪いがリコとナナチのいるところへ戻らせてもらうと言います。
それを聞いたファプタは恐ろしい表情になり、「おまえ…『ヒトのこ』とおなじじかん あゆむつもりか? あいつらしんでも おまえそのまま どうするつもりそす?」と聞くのです。
それに対してレグは最後までふたりに付き合い、そのあとのことはそれから考える、と言って彼女のもとを去ります。
それを聞いたファプタは悔しいのか、悲しいのか判別がつかないものの恐ろしい表情はそのままに慣れ果ての言葉で何かつぶやくのです。
レグを自分の、と言っているのはもしかすると単純に過去に出会ったことのある、という意味もあるかもしれませんが、そのあとの去っていくレグに対する表情を見ると、何かしら深い繋がりがあったのではないかということが感じられます。
『メイドインアビス』をネタバレ考察10:ライザの墓標と無尽鎚
レグとライザの記憶で気になるのが、ライザの墓標のこと。これはオーゼンの発言から明らかになった場所でしたが、そのあとにレグの記憶の中でもそこを知っている回想がなされたことは前述した通りです。
過去の彼が無尽鎚(ブレイズリーブ)をなぜライザのお気に入りの場所に突き立てたのか。彼女の馴染みの場所にその白笛と封書が置いてあれば、それを見た人はライザが亡くなったと思うはずです。
意図的にその演出をしたのか、それとも彼女と深い関わりがあったであろうレグが感傷的にそれを行ったのか。何かライザが死んだと思わせた方が都合が良かったことがあるのでしょうか。
封書はおそらくライザによって書かれたものではないだろうという線が濃厚ですが、リコを深界に連れてこようとしたレグの目的も、もしかすると彼ひとりのものではなく、誰かラスボス的な人物が裏で糸を引いているのかもしれません。