それぞれの深界には上昇負荷、呪いとも呼ばれる、地上に戻りにくい力場が作用しています。
深界1層は軽い目眩と吐き気、深界2層は重い吐き気、頭痛、末端の痺れ、深界3層は2層までの負荷にさらに平衡感覚の以上、幻覚・幻聴という症状。
そして深界4層では全身に激痛、穴という穴から流血、深界5層全感覚の喪失、それに伴う意識混濁、自傷行為があり、深界6層人間性の喪失、もしくは死、7層となると確実な死をもたらします。
また、不動卿オーゼンから明かされた話では、5層からは時間の感覚が狂い、数週間過ごしたつもりが数ヶ月過ごしたことになるとも言われています。
そしてこの呪いをナナチはこう表現しました。
地下世界に光を運び、同時に観測を阻むものであり、奈落の秩序と正体を頑なに守り続ける正体不明の力場。縦穴をくまなく満たすいわばアビスの血液とも言えるもので、縦穴から遠いほど力場は弱くなります。
ナナチはその力場の力が読めるようになっており、それを利用して呪いを受けない場所に隠れ家をつくっていました。ボンドルドの娘ファプタが飼っているメイニャにもその力があり、メイニャの匂いをかぐとその能力を利用することができるそうです。
ちなみにその力場が見えるものには、そこに人の意思までが感じ取れるそう。深界生物であるタマウガチなどもそれを読んで人間の攻撃を先読みします。
しかしこの呪いについては、黎明卿ボンドルドから新たな考察材料が与えられました。アビスは呪いのみを与えているのではなく、その負荷に隠れて見えないほどの「祝福」をも与えているということ。
それを一身に受けたのが彼の研究の産物とも言えるナナチだということです。祝福とは単純に力場の流れが読めるということなのでしょうか。
それを応用してボンドルドはメイニャをつくったのかもしれませんが、まだ他にもありそうです。
『メイドインアビス』をネタバレ考察4:アビスと2000年の周期
ボンドルドが以前に「アビスの明日を見届けねばなりません」と言っていましたが、ナナチからその詳しい内容は「次の2000年」が目的だということが明かされました。
このことについて詳しく考察していきましょう。少々長くなってしまいますが、重要な内容なのでお付き合いいただければと思います。
そのあとに6巻でアビスの淵、深界1層にある埋葬塔についての伏線が残されます。その埋葬塔にはお祈り骸骨という2000年前の何百体もの骸骨がありました。
その後埋葬塔の下にはさらに4000年前のお祈り骸骨があり、6巻でそのさらに下に6000年前のお祈り骸骨があったという発見がなされたという描写があります。
そして現在が折しも最新のお祈り骸骨から2000年が経とうとしている頃。街は誕生日に亡くなる人物があとを絶たないという不可思議な現象に見舞われていました。
それに疑問を持ったのが船団キャラバンで薬師をやっているという新キャラのミオ。7年前からまったく変わらない容貌だという彼女についても今後の展開が気になります。
その頃、アビスの6層でレグが慣れ果ての村にある穴の中央におびただしい数の「不屈の花」トコシエコウが落ちてくるのを確認します。そこの地面にあったのは死者の名札。オースでの葬式は、トコシエコウの花とともに故人の灰をアビスに還すのですが、レグは大穴での花吹雪に、アビスになにか異変が起こっているのを感じました。
この2000年ごとに大量の人が死ぬということにアビスが関わっているのは明白ですが、これはどんな真相に繋がっているのでしょうか。
アビスの遺物であるレグが機械であるのに生殖器があること、ナナチがアビスの呪いを血液と表現していたことから、この大穴が何か有機生物だという可能性も考えられますね。レグがエネルギーを概念的に吸収するということと同じように、アビスも人間を糧にしてその存在を維持してきたのかも知れません。
もしかするとその吸収力はお祈り骸骨の数から年々増えてきているので、オース全体を滅ぼしかねないものだという可能性も。
アビスが人間をエネルギー源にするというのなら、深層にいくのに必要な白笛が人間から作られているというのも納得がいきます。果たして真相はどんなものなのでしょうか。