アンカー山地域開発教育センター通信 -4ページ目

アンカー山地域開発教育センター通信

タイ北部において、へき地の教育格差や地域開発の是正、社会的諸数者の支援にとりくみながら、人と人森と人が共に生きられる共生社会の在り方を模索する人々の集まりです


各地区に開設した小規模な図書室を結ぶネットワークです。思いのほか蔵書をしばしば入れ替えるというのは、交通困難な地区が多いということもあってスタッフの負担も大きいのが現状です。蔵書をしばしば入れ替えるというアイデアは少ない書籍数と予算を最大限活用する案として有効だとおもわれたものの、この地区の山の中の険しい道路状況や雨が多い気候条件からはかなりの困難もあります。

それでも情報の乏しい僻地では、図書室プロジェクトの書籍は地域のすべての人々

のための貴重な情報源です。科学図鑑の写真や挿絵を子供たちは食い入るように見ています。

書籍というものがタイのほかの物価から比べて大変高価なものだということもあります。カラー印刷の図鑑一冊が労働者の平均賃金の約一週間分にあたります。だからこそ図書室プロジェクトは地域にとって重要だともいえます。

タイの国内問題として、学校図書館・公共図書館の未整備と蔵書の偏りがあります。まず図書が少ないのと蔵書のほとんどが王室関連の書籍で、音楽なら国王を讃える歌にはじまり歴史は王室の歴史、地理は王室の行幸などなどと続きます。タイの公共図書館や学校図書館では、これらの王室と軍国主義図書が半分以上からほとんどを占めてしまいます。王室の図書が少なく、科学や芸術といった一般教養図書に重点を置いている当プロジェクトは、あからさまに直接禁止などはされないまでも、別件を絡めての脅迫や警告をうけています。しかし世界的に通説となっている科学や歴史の一般教養の図書は、国際的にももちろんタイの国内法でも全くの合法です。国際法・国内法を侵しているのは明らかに王室と政府当局がわです。子供たちの適正な読書環境を守るためにも譲ることのできない一線です。図書館は資料収集と公開の自由と自治の権利を守らねばなりません。情報や教育にアクセスできるということは、これは人間の理性と良心の尊厳そのもので、文字発明以来の人間の営みです。権力と良心は、闇と光のようにときに戦いを繰り広げてきましたが、正義と良心は曲げるためにではなく貫き通すために在ります。プロジェクトでは、あらゆる武力や利害を絡めた脅迫や圧力には屈することなく、子供たちの適正な読書環境を守ります。