『赤い文化住宅の初子』(07・日本 100分)
★★★★
監督・脚本 タナダユキ
出演 東亜優 塩谷瞬 佐野和真 坂井真紀 浅田美代子
6月9日(土)テアトル梅田 7月京都みなみ会館 神戸アートビレッジセンター
久々に出ました。
4つ星★★★★
作品の規模的には、小さいですが
おもしろい!!!
これは!
おもしろい!!!
と、声を大にして言いたい。
最近は、
外国映画より日本映画がおもしろく
邦画≧洋画
さらに、日本映画でも予算の少ない映画の方がおもしろい
小作≧大作
さらに、さらに、女性監督または女性作家の作品がおもしろい
女性監督≧男性監督
「赤い文化住宅の初子」は、
原作・松田祥子×監督・脚本・タナダユキ
女×女
完璧です。
ストーリー
母に先立たれ、父は蒸発。中学3年生の初子(東亜優)は、唯一の肉親である兄(塩谷瞬)と2人で暮らしている。しかし、高校を中退して働きに出る兄の稼ぎだけでは生活は傾くばかり。なのに、兄はその少ない稼ぎを、風俗に使ってしまったりと頼りない。初子は、15歳にしてあまりにも不幸な境遇に生きていた。だが、そんな彼女にもささやかな希望の光が差していた。それは、同級生の三島君(佐野和真)の存在である。三島君との純愛がひとりぼっちの初子を支えていた。彼と一緒に同じ高校へ進学したい。しかし、その初子の夢は叶うはずもなく・・・。
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超ヒサンで、超クライ初子の物語
でも、なぜか暗いだけではない。
鑑賞後は、すがすがしくさえある
初子のささやか過ぎる幸せが、一生懸命生きる姿が、まぶしく愛おしいのだ。
不幸の中にある青春を見事切り取っている。
それは、監督の洞察力と、東亜優の存在感にある。
広島弁で、天然な初子を暗く可愛く演じた、この新人女優はかなりの大物ぶりを感じさせる和歌山出身の超★新星だ。
難しい役柄である初子を見事ものにして監督・スタッフ一同を驚かせたというのも頷ける出来。
監督いわく、NGは一回も出さなかったとか(ノ゚ο゚)ノ
そして、もう一人の主役?
初子を支える三島くんを演じた佐野和真もこれまた素晴らしい
大人から見ると初子に対して具体的な何かは、何も出来ていないんだけど、
15歳の精一杯の愛がキュンと伝わってくる
その愛はもちろん初子にも届いていて、「必要とされる幸せ」を与えているのだ。
2人とも演じるというカンがするどい
先日、タナダ監督にもお会いしましたが、監督も2人を絶賛していました。
しかし、最近ホントに女性監督の存在が目立ちますね。
しかもみんな若いさらに、美人多し!
そして、自分で脚本が書ける人ばかりなのです。
タナダ監督も、32歳にしては、ものすごく監督オーラのある人でした。
聡明な感じの美人監督。(女優経験もあり)
『さくらん』では脚本家として参加していましたが、
本人いわく「監督業を中心にやりたい」のだとか
というのも、脚本だけだと現場に行っても「さみしい」らしいです(笑)
監督に向いているのでこれからもどんどん撮り続けて欲しいですね
今回の初子は、原作ものでしたが
次回作はオリジナル脚本・監督で挑むそうです。(夏に撮影の予定だとか)
乞うご期待!
ちなみに、才能ある女性監督は
先日カンヌでグランプリ取った
『もがりの森』の河瀬直美を筆頭に (オリジナル作品)
『赤い文化住宅の初子』のタナダユキ 原作:松田祥子 (次回作はオリジナル)
『檸檬のころ』の岩田ユキ 原作:豊島ミホ (次回作はオリジナル?)
『酒井家のしあわせ』の呉美保 (オリジナル作品)
『ゆれる』の西川美和 (オリジナル作品)
『幸福のスイッチ』の安田真奈 (オリジナル作品)
『かもめ食堂』の荻上直子 原作:群ようこ
さらに、女優として活躍する唯野未歩子も
『三年身籠る』で監督を発表なんてこともありました。
そして、これからの注目作では、やっぱり
『人のセックスを笑うな』の井口奈己監督でしょうか
すごいタイトルですが、どんな映画に仕上がっているのでしょう。
キャストも話題性たっぷり!
永作博美の相手役にマツケンこと松山ケンイチ
さらに、蒼井優も参加。
もう完成したらしいので、拝見できる日も近いかな??
しかし、このタイトル・・。チケット売り場で言うの恥ずかしいですよね(/ω\)
客:「すいません、人のセックスを笑うな」
店員:「いえ、笑ってませんが、どうぞご自由に」
とか、売店で言われた日にゃあ・・・赤面ですよ (=◇=;)
えっ、
そんなこと言われないって??
まぁ、それじゃぁ略して
「人のを笑うな」
とでも言いましょうかね(*゚ー゚*)
なんのこっちゃ。
( ゚ ▽ ゚ ;)
まぁ、とりあえず「初子」は必見!女性監督に注目ということで締めくくりたいと思います。
ハイ。
では、明日は「もがりの森」帰国報告会見に行ってまいります。
では