北朝鮮に拉致された横田めぐみさんと、その家族についての壮絶な30年を捉えたドキュメンタリー。
これを撮ったのはアメリカ人監督のクリス・シェリダンと、パティ・キム夫妻だった。
(この映画を作るきっかけ)
2002年9月、新聞の片隅で小泉総理初訪朝の記事が目に留まり拉致事件について初めて知りました。そして、この事件を知らなかったこと、そして、何よりも拉致被害者に13歳の少女がいたことに強い衝撃を受けました。
ジャーナリストとして、人間として、一人でも多くの人にこの事を伝えたい・・。それが、この映画の始まりでした。
この映画は、娘を連れ戻すために30年という途方もない苦悩の日々を送った、二人の驚くべき親の物語だと監督はいいます。
その通り、拉致という卑劣な行いに対する怒りよりも、親が子供を思う気持ちに溢れた作品です。なんとも言えない感情に胸の苦しい思いになりました。しかし、それを乗り越えて進む横田夫妻の明るい笑顔を見ていると、本当にこの映画を見てよかったと感動しました。
他の被害者家族も登場します。息子との再会を果たせずに亡くなってしまった方もいらっしゃいます。
あまりのショックで病の床につき、「やっちゃん、帰ってきてぇ~」と、ただただ息子の帰りを待つ母の姿には言葉を失いました。
初め、監督夫妻は日本で上映することを考えていなかったそうです。あまり事件のことについて知らない西洋の人たちに知って欲しくて作った。日本の人たちがこの映画に興味を示すとは思っていなかったからといいます。
しかし、反応は監督の考えを上回る物で、日本でも公開となりました。
私は、北朝鮮の人にも見てほしいですが、やっぱり日本人にたくさん見てほしい。
他人事には出来ない事件だと思うし、それにまだ、めぐみさんの真実が解るまで横田夫妻は戦い続けるのですから。