『救命センター当直日誌』/浜辺祐一
東京下町の救命救急センター。運ばれてくるのは、酔っぱらい、自殺未遂、クモ膜下出血、交通事故などで生死の際の患者たち―。
最先端の医療現場では、救命だけが仕事ではない。助かる見込みのない患者を、いかにその人らしく安らかに逝かせてあげるか、それもセンターの医者の役割なのだ。
危機に瀕した患者をめぐる医療の建前と現実を知り尽くした医者が描く、緊迫のヒューマン・ドキュメント。
救命医師によるエッセイ。
ベテラン医師、中堅医師、研修医の意見が交錯しながら"救命"という現場で起こる様々な現実を描き出していて、その厳しさ・もどかしさ・人間の愚かさを知ることができる本。
"救命"のために肢体を見捨てなければいけない決断を下す勇気、狂ったように訴える家族のために救命を続ける虚しさ・または諦める無念さ、医療制度と現実の間で苦しむ患者と研修医のやるせなさ…
この筆者は毎日扱ういくつもの命を ぞんざいに扱っていないかを確かめるためにエッセイを書いているのだそう。
日常に起こっているまぎれもない とても大切な現実を見学させて頂いた、という気分になった。
救命センター当直日誌 (集英社文庫)
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浜辺 祐一
集英社
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おすすめ度の平均: 

やっぱり感動、そして思案
本当の「救命病棟」
医療従事者がおすすめします!『泥流地帯』/三浦綾子
大正十五年五月、十勝岳大噴火。家も学校も恋も夢も、泥流が一気に押し流す。懸命に生きる兄弟を通して人生の試練とは何かを問う。
家族の命を奪い地獄のような石河原となった泥流の地に、再び稲を実らせるため、鍬を入れる拓一、耕作兄弟。この人生の報いとは?
人は悪いことが起きると次はきっと良いことがある とか前世に何か悪いことをした罰だ とか何かしらの理由を作って納得することによって心の均衡を保とうとする。
でも、本当はそんな理由なんて無い。
という主題を北海道の開拓農家の生活を通して描いた作品。
身近な人の死を数回経験しているので理由の無い不幸、不公平な世の中という認識を自分は持っているつもり。けれども、やっぱり不幸に理由をつけてしまうこともある。でもそれは必ずしもダメなことなのではなくて、生きていく上で必要な、人間のヘリクツなんじゃないかなーと思う。
この前のセカチューでのセリフ「人間は生きるために忘れる」と同じちゃ同じ。 だからといって、その理屈を逃げに停止しててはいけないし、それを飲み込んだうえで前進してかなきゃならない。
もちろん、この本も不幸に理由なんてない。だから歯を食い縛って前に進むしかないってことを言ってます。すごく大変なこと。これをできる人間ってスゴイ。
それから、不幸にも幸せにも理由はないんだ、っていうこの作品の主題を説いた三浦綾子さんはクリスチャンで、彼女の作品の随所にソレ系のネタが出てくる。
でもでも、宗教が生れた理由もそこ(=生きてく上で必要なヘリクツ)にあると思うんだけどなぁ。
泥流地帯 (続) (新潮文庫)
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三浦 綾子
新潮社
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おすすめ度の平均: 

それでも正しく生きろ
因果応報の本当の意味について
生きようと思える
希望を忘れず、背筋を伸ばして生きていこう
これが正解だという言葉を綴らない。ただ必死に生きる姿を描いている。『大誘拐』/天藤 真
三度目の刑務所生活で、スリ師戸並健次は思案に暮れた。しのぎ稼業から足を洗い社会復帰を果たすには元手が要る、そのためには―早い話が誘拐、身代金しかない。雑居房で知り合った秋葉正義、三宅平太を仲間に、準備万端調えて現地入り。片や標的に定められた柳川家の当主、お供を連れて持山を歩く。…時は満ちて、絶好の誘拐日和到来。三人組と柳川としの熱い日々が始まる!第32回日本推理作家協会賞長篇賞受賞作。
前評判がよかっただけにワクワクで読みはじめてしまい、ちょっぴりガックリしてしまった。
ウウーン。
人の心の揺れとかが好きな自分には特にコレといった感動もなく…。
むしろパターン通りだなぁ~ というぐったりした気持が先に出てしまい読むのを途中で放棄しようか何度も迷いつつの何となくやっと完読。
犯罪トリックとか頭脳戦とかが苦手なのではなくて、そこまで考えなければいけない人の心やその原因とかそういうのが入っていないから、夢中になれないんだろうなぁ。。
残念。
大誘拐―天藤真推理小説全集〈9〉 (創元推理文庫)
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天藤 真
東京創元社
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1/2
柳川とし子刀自と戦後の時代
本当に面白い
身代金の要求方法、受取方法が見事
面白い!


