dark moon 小説ver

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二次創作やオリジナル小説置き場です。

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 ≪登場人物まとめ≫


・宮内 奏(ミヤウチ カナデ)
 高校2年生。
 例の事件をきっかけに記憶を失う。

・須川 樹(スガワ イツキ)
 高校3年生。
 奏と和也とは幼馴染であり、例の事件の犯人だと疑われている。

・中野 和也(ナカノ カズヤ)
 高校1年生。
 奏と樹とは幼馴染であるが、樹を何故か毛嫌いしている。

・吉野 彰(ヨシノ アキ)
 奏のバイト仲間。
 口調は穏やかだが、かなり腹黒い。

・レイ
 本名を明かさない、謎の人物。
 奏のバイト仲間。

 今のところはこんな感じですが、登場人物はまあ間違いなく増えますね。
 人物名などは常時募集中です☆
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 「あー……あ……」

 『彼』の心の中にあったのは、恐怖という感情だけだった。
 街灯のほとんどない薄暗い住宅街の一角に位置する階段の下。
 そこのアスファルトの上に倒れている一人の少女。
 彼の目の前で横たわる少女の、裾の方に白いレースのついた淡いピンク色のふんわりとしたワンピースは、ところどころ破れ赤く血に染まっている。手や足など様々な所に怪我をしているようだが、その中でも一番酷そうな首の傷からは血が溢れ出し、その流れは止まる様子を見せない。
 そして、その少女は『彼』がどんなに肩を揺らしてもピクリとも動かなかった。
 まるで、死んでいるかのように。
 『彼』はただ、恐ろしかった。
 少女の死が。
 『彼』の犯した罪が。

 そしてその罪が世間に知れることが。
 
 彼は、ただ夢中だった。
 薄暗い夜道をただひたすら走る。
 彼女をたった一人残したまま。
 誰かにこの姿を見られる前に逃げなければならない。
 『彼』は掌に爪が食い込むのも気にせずに強く鼓舞しを握り、自分の家路を急いだ。




 ――――彼女が発見されたのは、次の日の朝の出来事だった。


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 前書き


 この小説はあくまで霧海裂夜の軽~い冗談で出来上がっております。
 そんなに真面目に書くわけでもないので文章とかあんま気にしてないし…
 タイトルはアレですが一応恋愛要素も含まれます。
(ちょっと病んでるような気もしないでもない)
 まあ…とりあえずストーリーはちゃんと作っておりますのでご安心を。
 感想やアドバイスなどを頂ければ幸いです。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
今更な感じがすっごいしますが、

とりあえず作者コメントいっきまーす。


といっても大して書くことありませんが(笑)


ここは小説up専用です。

ブログなどその他の内容はすべてhttp://ameblo.jp/muumi1211にあります。





 あてんしょんぷりーず

☆キャラ崩壊は日常茶飯事

☆文章→テキトー

☆氷帝の扱いが雑






 「突然だが、これからレギュラー全員でロッカーの整理を行う」

 氷帝学園のキング(自称)、跡部がそんなことを言い出したのは全国大会を控えたとある放課後のことだった。
「そらまたえらい急な話やな」
 忍足は部室の壁に寄り掛かったままめんどくさそうに溜息をつく。
「何で事前に言わねぇんだよ!」
「今回のロッカー整理はロッカーの整理が出来ているかの抜き打ちテストも兼ねている。事前に言ったら何の意味もねぇだろうが」
 反論する岳人を跡部は誰もが納得の言ってしまうような理由で黙らせた。
「跡部先輩、当然先輩のロッカーもやるんですよね?」
 キノコ……日吉の質問に跡部が「当然だ」と返すと、一同は渋々ながらロッカーへと向かった。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 「まずは向日、お前のロッカーだ」
 跡部はそう言うと、岳人のロッカーを勢いよく開く。
 ーーーーと、そこにはタオルや予備のジャージがぐしゃぐしゃの状態で詰め込まれており、その奥にはパック入り納豆の姿があった。
「岳人! お前またあんなもん食っとったんか!」
 忍足は軽蔑したような目で岳人を見る。
(いやツッコむところ違うだろ……と忍足と岳人を除いた全員が脳内でそうつぶやいたのは言うまでもない)
「なんかすごE~」
 岳人のロッカーに入っていた納豆は通常の数倍の異臭を漂わせており、その色は薄めの茶色から黒へと変化していた。
「…………む、向日……納豆は冷蔵庫に入れておけ」




「次は日吉、お前のロッカーだ」
 先程の納豆の臭いがトラウマになったのか、跡部は日吉のロッカーを恐る恐る開ける。
 タオルやジャージがきちんと畳まれた状態で並べられた日吉のロッカーは、比較的整理が行き届いているように見えた。
「日吉は異常なし……と」
 跡部は名簿にそう書き込もうとしたところで動きを止める。
 視界の端の方に丸いものが見えた気がしたからだ。
「すごE~日吉がいっぱいいる~」



………………\(^▽^@)ノ
 日吉のロッカーに大量のキノコ発生☆





 「つ、次は忍足のロッカーだ」
 疲れた表情で跡部は忍足のロッカーを開ける。
 さすがに自信たっぷりの表情をしていただけあって忍足のロッカーは整理が行き届いており、天井にキノコも生えていなかった。
 がーーーーー……。
「これは何ですか?」
 鳳は一枚の写真をじっと眺めながら問う。
 そこには、同い年くらいの女子の姿が写っていた。
「可愛いやろ」
「え、ええまあ……でもこの写真、目線ズレてますよね」


        THE 盗撮☆




 「てめぇら、ロッカーを何だと思ってんだ!!!!」


 跡部がぶちギレたことにより、ロッカー整理は強制終了したのであった!!




 そして……


 その後、ロッカーの使用に関する新たな規則が作られたのは言うまでもない。

その1 納豆は冷蔵庫に入れること
その2 ロッカーでキノコを栽培しないこと
その3 女子を盗撮しないこと
青年は怒りのためか、微かに手を震わせながら木刀を握る。
 だが、それだけだった。
 青年は鋭い眼差しを潤に向けてから、何事もなかったかのように無言で去っていく。
 あいつは一体何がしたかったんだ? という疑問を抱きつつ潤は溜息をついた。
「八つ当たりってちょっと恥ずかしくないのかな?」
 不意に自分の右隣から声が聞こえ、潤は大きく目を見開く。
 こういった危ない仕事をしているということもあって気配や音には敏感だと自負していたにも関わらず、全く気付けていなかった。
 呆然としつつも、潤は声の聞こえてきた方へ視線を移す。
 ――――と、そこには 白いレースの付いたふんわりとしたワンピースを身に纏った少女が不思議そうに首を傾けながら立っていた。
 華奢なその少女の身長はかなり低く、潤の身長の半分ほどしかない。彼女の姿は潤には酷く幼げに見えた。
「あなたは誰? どうしてここにいるの?」
 少女は問う。
「僕は……潤。皆川 潤だ。ここへは呼び出されたから来ただけで……」
 潤は途中まで言いかけたが、言葉を詰まらせる。
 何故なら、この場所にこんなに幼い少女がいるというのは酷く不自然であったからだ。
 敵の組織に疑われずに入りこむために特別に訓練された子供もいると聞いたことはあるが、この少女は何故だかそうは見えなかった。
 だが、ただの迷子というわけでもないのだろう。
 暗殺組織の所有する建物なだけあって、一般人が足を踏み入れることはない。道に迷って助けを求めてくる間抜けな奴が誰もいないというわけでもないが、基本的に人は寄りつかない。
 それに、ただの迷子が13階まで来るとは潤には到底思えなかった。
「君は……」
「そいつは『兵器』さ。上手く使えば、敵の暗殺組織を一掃することも可能だ」
 答えたのは、少女ではなく老人――――『Under』のリーダーであった。
 黒いスーツを纏った老人は少女の頭を軽くなでる。
 潤にはその表情が祖父が孫に見せるものと寸分違わぬように見えた。
「この少女が……兵器ですか?」
 どこをどう見ても潤にはその少女が兵器には見えなかった。
 ビー玉の様な純粋な緑色の瞳も、 腰まで伸びた茶色い艶やかな髪も、暖かみを帯びている。
 白いレースの付いたふんわりとしたワンピースの袖から覗く腕は細く、むしろ弱々しく見えた。
「そうさ。これこそが『Under』の最強の武器だ。君にはこれを護ってもらいたい」
 兵器。
 潤にはこの老人の言っている意味が良く分からなかった。
 次の仕事が兵器を護るという内容のものだということは潤も知っていたし、その兵器がもたらす惨状は先日見た写真でよく知っているつもりだ。
 だが、その兵器とこの少女の姿はどうしても結びつかない。
 こんな普通の少女が兵器? そんなこと、あるはずがない。
「それは……冗談と受け取ればいいのですか?」
 潤は恐る恐る問う。
「冗談? 私は本気だよ。これは正真正銘の兵器だ」
 潤は一瞬耳を疑った。
 この老人は本気でこの少女を兵器だと思い込んでいたのだから。
 馬鹿馬鹿しい。
 潤は心の中で呟いたが、決して口には出さなかった。
 口に出せば、裏切り者として殺されかねないからだ。
 この老人に逆らってこの世から消された人間は数え切れないということは潤もよく知っている。
「しばらくの間これを預かり、護ってくれればいい。これを狙おうとする組織がないとも言い切れんが、流血沙汰になることもほとんどないだろう」
「そうですか……」
「やってくれるな?」
「はい」
 潤は不信感を抱きつつも老人の言葉に頷き、王に忠誠を誓う騎士のように即座に膝を折って頭を下げた。
第1章

    ~不死者~


 不死者。
 刃物で心臓を突き刺されようと首をはねられようと絶対に死なない人間など、実在するのだろうか?
 仮に存在するとしても、それを人間と呼ぶことは出来るのだろうか?
 人を超えた存在を神と呼ぶのなら、不死者は人というよりも神に近い存在なのではないだろうか?
 潤はそんな疑問を抱きながら、ゆっくりと本を閉じる。
 単行本サイズの黒を基調とした表紙には白い文字で中央に『不死者』という題名、その斜め下には作者名が印刷されている。
 厚さ10cmもあるこの本に描かれているのは、とある不幸な少女の物語だ。
 生まれつき怪我の治りが超人的に早かった少女は、同じ村に住む村人から疎まれていた。理由は至って簡単。気味が悪かったから。
 もっとも、少女がまだ幼かったということと、村を牛耳る大地主の愛娘であったことが幸いし、誰も表には出さなかったが。
 そんな少女が地獄へと急降下させられたのは、物語の中盤。
 それは、少女が誤って崖から転落してしまうシーンから始まる。
 崖から落ちた少女の怪我はあまりに酷く、親であろうと目を背けたくなるような状態であった。当然、少女は死んだ。
 いや、死んだはずだった。
 彼女は埋葬される直前――――最期の別れをしている最中に息を吹き返したのだ。
 動きを止めていた心臓は再び動き出し、彼女は何事もなかったかのように起き上がる。
 そうなれば、どうなるかは決まっている。
 そして、彼女のことを気味悪がった何人かの人間は彼女を殺そうとした。彼女を愛していた両親までもが。
 だが、結局は誰も彼女を完全に殺すことはできなかったのだ。
 こんな生き物が実際にいるとしたら、この世界は一体どうなってしまうのだろうか――――?
 潤は心の中で呟き、顔をあげる。
 白い正方形をした部屋。
 その部屋は、酷く閑散としていた。
 家具と呼べるようなものは何一つなく、窓も天井近くに小さいものが一つだけ。その上、小さな窓にはご丁寧に鉄格子まで取り付けられている。
 部屋というよりは、むしろ牢獄に近い感じだ。
 壁には美しい草原にたたずむ1人の少女の絵が飾られており、それは何故だか酷く寂しげなものに見える。
 『3月26日午前10時に本部13階に来るように』という最低限の言葉だけでつづられた文章が携帯のメールで送られてきたのは、今から約1週間前。
 しかも、今回のメールは暗殺組織『Under』における潤の直属の上司ではなく、リーダー本人から送りつけられてきたものだ。
 Underの仕事の多くは暗殺なのだが――――潤は今回の仕事が暗殺ではないことを既に知っていた。
「皆川 潤<ミナガワ ジュン>ですね」
 ギイイ、という不快な音を立てながら白い扉が開き、潤の着ているものと全く同じ黒いコートを身に纏った長身の青年が現れた。
 彼の艶やかな長い髪は見事な銀色に輝いており、長い前髪の隙間から垣間見える瞳は炎の様に赤く輝いている。
 その腰には長い木刀と短い木刀が合わせて2本あった。
 建物の地下1階から最上階まで、全てが『Under』のものであるとはいえ、武器を堂々と見せながら歩くというのはあまり良くない。
 一般人にその姿を見られたらどうするんだ? と潤は心の中で呟いた。
 彼はかなり腕の立つ暗殺者なのだろう。それも、『Under』の中でも飛び抜けた実力を持っている。
 赤い瞳に銀色の長髪。
 彼はおそらく――――。
 青年は不気味な笑みを浮かべながら、壁に寄りかかった潤の方へと歩みを進める。
 ゆっくりとしたその動きにはかなりの威厳があるように感じられた。
「あなたのような腰抜けにこんな大事な仕事……全く、リーダーは何を考えているのやら……」
 青年は惜しそうに顔を歪ませる。
 その瞳からは怒りと悲しみの様なものが潤には感じられた。
「いいですか? 私はあなたという存在を認めません。絶対に」
 青年はそう言って自然な動きで右手を腰にある木刀へと伸ばす。
 空気が一瞬で重くなり、それと同時に順は微かな寒気に襲われた。
 一触即発。
 木刀であるとはいえ、本気で殴られれば金属バットで打たれたかのような強烈な痛みに襲われる。 その上、相手は暗殺者だ。殺しのプロにこれで殴られれば、死ぬこともあるかも知れない。
 潤は反射的に手をコートのポケットへと忍ばせる。
 割と大きめのポケットの中には小型の銃が入っており、予備用の弾も数発入っていた。



 永遠の命とはなんて残酷なものなんだろうね。

 体を生きたまま解剖されても、
 与えられるのは苦痛と恐怖だけ。
 『死』という楽園はいつまで経っても訪れやしない。
 
 火あぶりにされたって、
 一時的にやけどで醜い姿になるだけ。
 『死』という快楽は与えられることがない。

 永遠というものは、
 地獄以外の何物でもないのさ―――。









 プロローグ


  闇。
 その空間を一言で表すのなら、その言葉が一番適しているだろう。
 一見するとただの大衆食堂にしか見えないその店のカウンター席には一人の老人と青年が座っている。二人のすぐ後ろの壁に飾られたダーツには矢が刺さっておらず、代わりに銀色のナイフが刺さっていた。
 店の扉には鍵がかけられ、ブラインドは全て降ろされている。まるで、外部とその空間を遮断しているかのように。
 横浜。
 この辺りは全国的に観光地として知られ、中華街や遊園地、大型ショッピングモールなどには連日多くの人が訪れる――――が、これはあくまでも表社会の話でしかない。
 殺しを生業とする殺し屋達にとってこの地は、血に塗れた裏社会の中心地でしかなかった。
 数年前、『行方不明者戸籍破棄法』という法律が施行された。簡単にいえば、五年以上行方の知れない者の戸籍を全て破棄し、存在そのものをなかったことにするという内容のものだ。
 確かに、この法律が施行されたことによって得られた利益は大きかった。見つかりそうにもない行方不明者を探す手間が省かれ、その分の時間を有効的に使うこともできた。
 だが、それと同時に犯罪者が増えてしまったのも事実だ。
 存在しないはずの者を法律で裁くことはできない。
 この法律は、五年以上行方をくらませることに成功した者はどんな罪を犯しても良いと言っているようなものなのだ。
「この間は本当に御苦労だったな」
 白く色を失った髪の中に未だ僅かな黒髪を残す老人は、ねぎらうように隣に座る青年に声をかける。
「僕は……まだまだ未熟です。『虚人(コジン)』となってもう一年も経つというのに、僕は人を殺すことに対する抵抗感を完全にはぬぐい切れていないのですから」
 アイスブロンドの髪をした青年――――潤の右の頬にはうっすらと赤い線が浮かびあがっており、微かに血がにじんでいた。彼の着ている黒いコートのポケットからは小型の銃が顔を出してしまっているが、本人は全く気付いていない。
 本当に、まだまだ未熟なのだ。
 戸籍を失った者は『虚人』と呼ばれ、その多くは殺人などの犯罪に手を染め、暗殺組織に所属する。潤もその一人だ。
 プロの暗殺者は人を殺すという行為に対して何の抵抗もない。いちいちそんなことを気にしていては身がもたないからだ。
 通常、暗殺者は標的に対して自らが暗殺者であることを悟られないようにするものなのだが――――これではすぐに暗殺者であるとバレてしまう。そうなれば、かなり厄介なことになりかねない。
「確かに君はまだまだ未熟だ。けれど、蕾はいつか必ず花開くものだよ」
「そうだといいのですが……」
 老人の言葉に、潤は曖昧な笑みを浮かべた。
 一見穏やかそうに見えるこの老人は、数多くの暗殺組織の中でもかなり有名な『Under』という組織のリーダー。そして、潤の上司でもある。
 それにも関わらず、潤があまり緊張していないのはこの老人の纏う優しげな雰囲気のおかげだろう。
「大丈夫さ、君なら――――ところで、君にどうしても頼みたいことがあるのだが……」
「頼みたいこと、ですか?」
 潤は眉間に僅かな皺を作る。
 それは彼の指示に従うのが嫌という理由ではない。 ただ単に、怖かっただけだ。
 また同じ過ちを犯.すことが。
「怖いのかい? 大丈夫、そんなことにはならないさ」
 老人はそう言って穏やかな笑みを浮かべる。
「君には誰かを傷つけることよりも誰かを護ることの方が向いているような気がするんだ……君は優しすぎるからな。君には、これを護ってもらいたい」
 老人はそう言ってスーツの内ポケットから一枚の写真を取り出し、隣の席に座った潤に手渡す。
 新たな仕事の内容に若干の不信感を覚えつつも、潤は受け取った写真をじっと見つめた――――