昨日、私の職場の責任者の上司が話しかけに来てくれて
『吉野弘っていう人の祝婚歌っていう詩、聞いたことがあるか』と。
恥ずかしながら初めて聞いたのですが、結婚式の祝辞で引用されることも多いそうですね
私の結婚式では、この上司に祝辞をしてもらったのですが、
『最近この詩をテレビで知ってんけど、結婚1周年に送るわ。本当は入院のお見舞いに行った時に渡そうと思ってんけど、あんたのお母さんもいてたし、キザやと思われたら困るから』と。
なかなかお茶目な上司なんです
その詩がすごく素敵だなぁと思ったので、ブログで紹介したいなぁと思って、
でもいくら私のショボいブログでも、詩を全文載せることは著作権的にどうなんだろうと思って調べてみました。
吉野弘さんはすでにお亡くなりになられていますが、
生前、この『祝婚歌』については、民謡に例えて(民謡は作者がわからないけど、受け継がれてる詩なので著作権は存在しない)、著作権は問わないとおっしゃっていたそうです。
なので、そのお言葉に甘えさせてもらおうと思います
『祝婚歌 』 吉野弘
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派過ぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと
気づいているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には色目を使わず
ゆったりゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そしてなぜ胸が熱くなるのか
黙っていてもふたりには
わかるのであってほしい
本当に素敵な詩だなぁと思いました
こんな風に過ごすことは簡単ではないかもしれませんが、時々は振り返りたい言葉になりそうです
教えてくれた上司に感謝です