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中年内科医勤務医。検診で偶然腫瘍が見つかり奮闘中。医療従事者目線の「がん」へのかかわり方、気づきをつぶやいてます。

先日病理組織結果がでた。

結果は非機能性神経内分泌腫瘍(pNET)(グレード1)

膵臓がんとして想定していた範疇では一番ましなものであった。

第一選択治療はmTOR阻害薬とソマトスタチンアナログ併用。

直近に行われた臨床試験では良好な成績が出ている。

mTOR阻害薬のエムベロリムスは全体で10%ぐらいの間質性肺炎の合併があるため懸念点ではある。

 

膵管癌や神経内分泌癌(NEC)の可能性まであったのが、この結果であったのは本来喜ぶべきところ。

と、自分も思っていた。

しかし違った。

どんなに治療が奏功するとはいえ、結局治癒困難な悪性腫瘍には違いなく、治療が終わることはない。

結局限りある予後と宣告されたことが、意外と重くのしかかる。

これは多発性骨髄腫の宣告に似ているかなと。

 

今回の結果をそれなりの人々には説明した。

両親を始め、少し医療知識の少ない人は「よかったね」と喜ばれる。

多少知識のある人は言葉を選んで話してくれる。

この反応を見て多くの人に公表するのをやめ、必要最低限の人にのみ話すことにした。

正直、まだ自分自身が受け止め切れていないのかもしれない。

だから少し時間をかける。

 

医療の進歩により治らずとも病勢コントロールが可能となった疾患は数多ある。

それは喜ぶべきことである。

しかしそれは戦い続けなければならないことでもある。

さて、連休明けからいつ終わるともわからない戦いが始まる。