
おはようございます。miwaです✲*゚
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くたびれたダメージジーンズ。
夫はこのジーンズを気に入っている。
膝の部分は摩擦で薄くなり
色がこすけて白っぽく変色していた。
「これ、もうだめじゃない?
捨てたら?」
私は提案した。
でも答えは分かっている。
Noだ。
「まだ穿ける。」
まだ穿ける。
それを聞いたのは7回目。
彼は物を手放さない。
メガネだって靴だって
機能しなくなるまで
使いに使い古され、
壮絶な最期を遂げていた。
私は穿けない状態まで
穿き潰されたジーンズの最期を想う。
目を閉じて、これでもかというくらい
ボロッボロのジーンズを想像する。
悲惨だ。
ジーンズの本音は分からない。
しかし、死ぬ時くらい綺麗な状態で
逝きたいのではないか。
私は吸い込まれるように
ダメージ部分の横糸に
指をねじ込んだ。
そして、その繊維を
思いっきり、
手前に引っ張った。
「ああ!」
夫の叫び声でハッとなる。
ジーンズの糸は、ズタズタに切れていた。
「え、気でも狂った?」
夫は戸惑っていたが、
私も同じだった。
取り返しのつかない事をしてしまった。
その場を取り繕うため、
上手い言い訳を考える。
そうだ、ジーンズのせいにしてしまおう。
私は言った。
「ジーンズが死にたがっていたから。」
「え?」
「ジーンズが死にたがっていたいたから、
それで、引っ張ったの。」
苦しい言い訳だった。
「あー、なるほど。」
「え。」
「でも、大丈夫。
まだ穿けるから。」
そう言うと、ちぎれた繊維を
器用に結び、繋ぎ合わせた。
彼は満足げに、補修した
部分を私に見せつけた。
「ほら。まだ穿けるでしょ。」
結局、ダメージジーンズを救うことは
叶わなかった。
