経済産業省のMtFの職員が職場の女性トイレ使用禁止を差別とした訴訟の東京地裁での判決が昨年12月にやっと出ましたね。
当たり前すぎて驚きもありませんけど、職員女性の勝訴です。
このブログで最初に話題にしたのが2015年ですから4年ですか。
長過ぎ。
経産省側もそんなに頑なに粘って誰得なんでしょうかね。
まあ間違いを認めたがらないのは、おそらくは当該経産省上司の前時代的な宗教感からなのかエゴイスティックな正義感からなのか、そんな浅い理由からなのでしょうね。
おまけに確証バイアスかかっちゃってる。
「男に戻ってはどうか」とか言ってる時点で勉強も有識者に意見を求めたりも全くしていない事は明白だし、人権問題としてメディアでも多く取り上げられている話題なのに注目する気すら無いって事ですもん。
普通、部下が「性同一性障害ですので対応をお願いします」って来たら、性同一性障害ってなんぞ?ってなって、最低でもググるでしょ。
ネットの情報を鵜呑みにするのも良くはないけど、思い込みだけで作った勝手な自分基準をよく恥ずかしげもなくアウトプットできるものだと。
経産省組織自体も人事院も、そんな当該上司を擁護して同調しなければならないような「正しいかどうか」よりも大事なお役所特有の「くだらない何かしら」があるんでしょうね。
ちゃんと知識さえあれば訴えられたら負けるくらいの事は前もってわかったはずなのに、何を大切にしているのやら。
権威を振りかざせば人権を脅かされている人でさえ泣き寝入りするとでも本気で思っていたんでしょうか?
裁判長は判決理由で、性別は個人の人格的な生存と密接かつ不可分のものであり、個人が真に自認する性別にそくした社会生活を送ることは「重要な法的利益」として国家賠償法上も保護されるものというべきとし、日常的に使用しなければいけないトイレの使用を認めないのは「重要な法的利益」を制約するものとしたそうです。
わたしの過去記事、2017年8月7日の「★付録資料1」の後半に書いた事がほぼ肯定されたのと同時に、より説明しやすくもなりました。
なにより判例によって性自認の性別として実生活を送る事が「重要な法的利益」であるとされた事により、戸籍変更や手術実施の有無にかかわらず、実生活経験に入っている当事者の性自認の性別が社会的性別であると法的に認められた事になります。
まだ経産省側が控訴する可能性はありますので確定ではありませんけど。
経産省側の主張や裁判所の判断について細かく色々と書こうとも思ったんですけど、やめました。
長くなりますし、同様の事をもう過去に書いてきましたもん。
今回の判決についてもそうですし、関係する法律についても、そもそも性同一性障害というものについても、くだらない先入観とか口にも出すべきではない個人の気分的問題とかを排除して真摯に論理的に考えれば、わたしが解説なんてしなくても出てくる答えなんてそう多くはないはずです。
ただ、くだらない先入観とか口にも出すべきではない個人の気分的問題とかでモノを言う「論理的思考」のできない頭の悪い人は現実に存在しています。
このブログにも、真剣に考えてもいないくせに知った風な口ぶりで失礼なコメントをしてくる人がたまにいますもん。
できればこの経産省職員勝訴のニュースを大々的に取り上げてほしいと思うんですよね。
そしてなんで経産省側が負けたのか、弁護士さんとか法律の専門家に細かく解説してほしいです。
自分には関係ないって真剣に考えてくれない人でも、何が差別で、何が法律に引っかかるのかくらいはハッキリと認識しておいてほしいものです。