ひとりの男の心情に、ぴっとりと寄り添う、温かみのある、映画でした。
人気ハリウッド俳優の孤独感、といったテーマなのかな?
別れた妻との娘、クレオと過ごす数日間。
二人の表情はどこか他人行儀で、しかし優しい眼差しでした。
とにかくこの映画、エル・ファニング演じるクレオがめちゃくちゃ可愛い。うん、可愛いというか、美しくて瑞々しくて、純粋だ。父親に対する気持ちが、ありありと表情から伝わってくる。フィギュアスケートを踊って見せる時の顔。父親の授賞式に出席するときの大人びた姿。ジェラートを一緒に食べるシーンも、愛らしいし、手作りの朝ご飯を褒められたときの嬉しそうな表情も、ずっと一緒に暮らしたいと父親の前で号泣する彼女も、すごくリアルな感じ。11歳、少女であって、女でもある。そんなクレオの目に、優雅だけれどだらしなくって、どこか退廃的な生活を送る父親はどう映ってきたのだろう。
またジョニーは、クレオと過ごし、他愛のない会話をし、隣で眠って、テレビゲームで遊んで、一緒にご飯を食べて、プールに入って。そんなかけがえのない幸せを見つけ、自分のそれまでの人生、富と名声だけを糧に送ってきた人生を振り返り、空虚感、孤独感、物足りなさ、怠惰な毎日に打ちひしがれる。「自分は空っぽだ」と前妻に電話で話す姿はたまらなく切なかった。
この映画は、本当に何も起こらない。けれど二人だけのささやかな幸せを覗き見しているような。こっそりと共有してしまっているような気分になる。そんな空気感が好きでした。音楽もビジュアルも、もちろん私好み、ソフィアさん、やっぱり好きな監督です。