●浅田真央、20年目の成熟
質にこだわり今季最高点
(朝日新聞)
(2日、フィギュアスケート世界選手権 女子フリー)
誰のためでもない。
誰かを意識するでもない。
浅田はただ、自分のために滑った。
「ほーっとした」。
演技を終えると、氷上に正座し、2度3度うなずいた。
トリプルアクセル(3回転半)など三つのジャンプで回転不足。
3回転ルッツは2回転になり、踏み切り違反も取られた。
それでも、25歳の成熟した表現力で観衆を引き込み、今季最高の134・43点。
「大目に見て、自分の満足できる演技ができた」
自分のために滑る。
現役続行を決めた時に誓ったことだ。
だがシーズンが深まるごとに成績が下がり、若手の存在も気になった。
「自分たちの時代は終わったのかな」。
最下位に終わった昨年12月のグランプリファイナルを終え、復帰を後悔しかけた。
練習のしすぎで年明けに左ひざの痛みが増した。
これが転機だった。
佐藤信夫コーチに
「もう若くない。休みなさい」
と説得され、
四大陸選手権の出場を辞退。
氷と離れ、自分に向き合うと「自分の目指したい滑りをしよう」という復帰当初の思いに立ち戻れた。
氷上練習を再開したのは3月だった。
練習量は全盛期の6割程度。
質にこだわり、演技の完成度を高めた。
「少しずつ、大人になっている」。
佐藤コーチも心の成長を感じている。
5歳でスケートを始め、今季で20年。
「人生を捧げてきた」と語る。
最後までやり切りたいという情熱の灯は、まだ消えない。
(前田大輔)
(04/03 20:07)
質にこだわり今季最高点
(朝日新聞)
(2日、フィギュアスケート世界選手権 女子フリー)
誰のためでもない。
誰かを意識するでもない。
浅田はただ、自分のために滑った。
「ほーっとした」。
演技を終えると、氷上に正座し、2度3度うなずいた。
トリプルアクセル(3回転半)など三つのジャンプで回転不足。
3回転ルッツは2回転になり、踏み切り違反も取られた。
それでも、25歳の成熟した表現力で観衆を引き込み、今季最高の134・43点。
「大目に見て、自分の満足できる演技ができた」
自分のために滑る。
現役続行を決めた時に誓ったことだ。
だがシーズンが深まるごとに成績が下がり、若手の存在も気になった。
「自分たちの時代は終わったのかな」。
最下位に終わった昨年12月のグランプリファイナルを終え、復帰を後悔しかけた。
練習のしすぎで年明けに左ひざの痛みが増した。
これが転機だった。
佐藤信夫コーチに
「もう若くない。休みなさい」
と説得され、
四大陸選手権の出場を辞退。
氷と離れ、自分に向き合うと「自分の目指したい滑りをしよう」という復帰当初の思いに立ち戻れた。
氷上練習を再開したのは3月だった。
練習量は全盛期の6割程度。
質にこだわり、演技の完成度を高めた。
「少しずつ、大人になっている」。
佐藤コーチも心の成長を感じている。
5歳でスケートを始め、今季で20年。
「人生を捧げてきた」と語る。
最後までやり切りたいという情熱の灯は、まだ消えない。
(前田大輔)
(04/03 20:07)