元大統領、ハマスに会う | It's a small WORLD!

元大統領、ハマスに会う

アメリカではだいぶ論争を呼んだカーター元大統領の中東訪問。


今回の訪問の目的は、中東和平の打開を念頭に、中東諸国を訪問しハマスのリーダーやに会うこと。

アメリカの外交政策では、パレスチナのハマス、レバノンのヒズボラ、ネパールのマオイストはテロリスト

として扱われており、国の要人や組織がこうしたテロリスト組織と接触することは推進されていない。


いずれも、テロリスト行為をしている一方、政党組織も存在しておりいずれも国会の議席を持つ。


ウェブ上の世論調査によると、7割以上の国民がカーターのハマス接触に反対。たった25%の国民が彼の今回の行動を支持している。おそらく多くはジョージア州の住民又はカーターセンターの職員だろう。

多くのメディアをはじめ、民主・共和両党の政治家やライス国務長官までハマス接触を非難。


ネパールの選挙監視を終えた後、カーターを乗せたGoogle自家用ジェットはヨルダンへ向かった。

4月13日~22日に訪れた国は、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ、シリア、エジプト、サウジアラビア。

ハマスのリーダーをはじめ、識者、学生、地域住民、大臣、首相、国王らと面談・意見交換を行った。

パレスチナ側に限らず、イスラエル側の声にももちろん耳を傾けた。

そして、アメリカ政府やイスラエル政府が交渉相手として認めていないハマスの指導者に対し、イスラエルに対するロケット弾発射をはじめとする一般市民に対する攻撃行為を辞めるよう、そしてこれまで結ばれた和平合意の存在を認めるよう、働きかけた。過激派であり、イスラエルの存在を認めないハマスは、前者の提言は否定するものの、カーターとの面談後、「パレスチナ住民が支持する限り、1967年国境ラインを認める。」と発表。


正直、パレスチナ・イスラエル和平にそこまで詳しくないので、ハマスの発言が今後の和平交渉にどう影響を与えるのかわからないが、テロリスト集団とは交渉も接触も応じないというアメリカの外交政策の姿勢は、親米であるイスラエルが関わる限り、進展しないように個人的に思う。

中東和平を仲介し、促進させるためには、関係者全ての言い分に耳を傾ける必要がある。

選挙によって選ばれたハマスを部外視するなんて、和平プロセスの進展を妨害する行為と取れなくもない。

特にパレスチナ・イスラエルの「二国家共存」を目指すのであれば、尚更国家(厳密にはパレスチナな国家ではないが。)の主要アクターの参加は不可欠。だから、双方の意見を聞こうとするカーター氏の姿勢は私は支持する立場だ。(ちなみに、関係者だからという理由では全くない。)


BBC、ABC Newsとのインタビューは以下の通り。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/newsnight/7358931.stm

http://abcnews.go.com/ThisWeek/story?id=4641150&page=1  (アメリカ総選挙についても言及もあり)


中東訪問レポート(The Carter Center)

http://www.cartercenter.org/news/trip_reports/middle_east_2008.html