元大統領の故郷 | It's a small WORLD!

元大統領の故郷


週末、カーター元大統領の故郷であるジョージア州のPlainsという町を訪れた。
ピーナッツフェスティバルと呼ばれる小さなお祭りが開催されていて、
政界引退後も忙しくしているカーター氏も故郷に戻り、ピーナッツを頬張りながら(?)パレードを見物。我々も地元民に混じってパレードに参加。
10月1日がカーター氏の83歳(!)の誕生日ということでHAPPY BIRTHDAYの札を持って、インターン一同で一足早い誕生日祝いをしました。



Miss Princess   Mr Peanut

↑パレードの様子。Miss Princessらしい。左の子はchubbyだぞ。  ↑Mr Peanut


HAPPY

↑チームHAPPY


Plainsはピーナッツの産地。屋台には炒りピーナッツや茹でピーナッツ、ピーナッツバターアイスまで売られていました。(アイスまであるとは、さすがアメリカ。しかもド甘い。)
また、南部料理は肉&揚げ物が特徴なので、ボリュームのある方たちが多かった…。


カーター氏の旧家であるBoyhood Farmでは、ご本人から幼少時代の思い出話を聞き、

再び茹でピーに舌鼓(笑)。
ピーナッツ農場を営む父と看護婦の母の間に生まれたカーター氏は、

幼い頃から父親のピーナッツ栽培を助けてきており、またアメリカ海軍勤務を終えた後も家業を継いだため、ピーナッツに対する愛情はとても深いのだ。
ジョージア州知事や大統領、と政界へ進出した彼の軸となっていたのが、キリスト宗教信仰心だ。

当然、彼の外交方針である「人権外交」も。

もともと政治や外交への野心があった訳ではなく、「宗教心の厚い海軍出身のピーナッツ農場の息子」だったのだ。
ピーナッツ栽培についての質問が出ると、とても楽しそうに返答していたのが印象的だ。


日曜にはSunday School(日曜礼拝)に参加し、カーター氏の説教を伺った。
大学時代に礼拝に出たことはあっても説教を特別興味深いと感じたことはなかったけど、
カーター氏の説教はコーランや現在のパレスチナ・イスラエル問題についても参照していて、現在も中東和平やスーダンの和平プロセスに関わるカーター氏の思いが伝わってくる説教だった。


「世界のキリスト教人口は36%、イスラム教徒は20%、ヒンドゥー教は15%、仏教は6%、ユダヤ教は1%。マイノリティである1%のユダヤ教徒を守るのがキリスト教の役目だと理解されてきた。


…だそうな。

もし本当にそう理解されてきたのだとすれば、
キリスト教&ユダヤ教vsイスラム教、つまりアメリカ&イスラエルvsパレスチナになっちゃうのだろうか、と思ったりした。
やはりアメリカ人にとってユダヤ教徒、すなわちイスラエルというのは悪者にはできないんだろうか。

彼曰く、いずれの宗教も平和を希求することに違いはないし、いかなる宗教対立であってもその先にある平和を見据えるべきだ、とも。
とはいえ、平和って主観的な概念だ。
戦争がない、というのは普遍的な側面ではあるけれど、自分の国家や民族・宗教の
平和を揺さぶるものを拒絶し争う姿は、どうやって説明できるんだろう。


そんな単純な論理で中東平和を語ることはできないけれど、御年83歳でスーダン、イスラエル等を飛び回る姿はすごいと思う。
これが「最強の大統領」と呼ばれる所以だ。(皮肉もこめられているが。)


          P Carter

という訳で、田舎町で生まれ育ったdown to the earthなカーター元大統領の人間味を感じた週末でした。