『なに!? 一度見つかったがまた行方不明になっただと??!』
17世紀初頭のヨーロッパ、小国ガルディア。
報告を受けたカエル。報告内容は
【王妃にそっくりな女性をトルース山にて発見するも、その女性は人違いであるとの供述をした。身なりは異国の服装をしていて、当初は単なる人違いとも思われたが、その女性に近付いてきた同じく異国風の男が王家のペンダントを所持していた為、その男が誘拐犯で王妃は脅されていて助けを求められなかった可能性を考慮しつ、兵士はパイク(槍の一種)を構え警戒体制に。しかし兵士は王妃から一瞬目を離した隙に王妃は消えていて側にいた男は等逃亡した。王宮は男の正体が魔族で魔術で王妃を隠した可能性があるとし、男の行方を追っている】
報告を受けたカエルは兵営から飛び出し、民家の屋根にジャンプし、屋根から屋根へと跳び移りながら、リーネと男を探した。
男の特徴は異国風の容姿かつ、赤髪であり、目立つ様相をしていた。カエルは直ぐにそれらしき男を発見した。捕えて尋問にかけるより、尾行して敵のアジトも探す方が得策だと思い、しばらく泳がせていた。
男は民家から服を盗み、着ていた衣類を捨て、人混みに紛れた。何やら謎の黒いもの(その正体無線)に話しかけている様子で話し終わると、人目を避けながら路地裏を抜け、教会の方角へと向かった。
男は女と合流し、話し込んでいる様子だった。話し終わると教会内に入った。
カエルは姿勢を低くして忍び込み、教会の壁づたいを登った。
二人が何か(王妃の髪飾り)を拾った。それを見ていたのかシスターが一人かけよった。三人が話し込んでいると、もう一人のシスターが教会の出入り口の扉を閉めはじめた。昼間なのに扉を占めたら中は暗くなる。教会の不自然な行動について、カエルは教会がリーネ誘拐に関わっているのか、それとも教会側が犯人逮捕に協力しているのかが判断がつかないでいた。
シスター達は衣を脱いだ。(これからクロノとルッカを食べようと思っているが、返り血で衣類が汚れるのを心配していた)
シスター達は魔族の姿を表し、戦いはじめた。魔族同士の仲間割れかと思い、しばらく観察していた。
◎
事情は判らないが、二人が死ねばリーネの居場所も判らなくなるかもしれない。カエルは助太刀した。
クロノ達は助けてくれたカエルに驚いていた。シスターが蛇女だった事にも驚いていたが、まるで魔族をはじめて見たかのようなリアクションだった。
カエルは二人に剣を向け、事情を聞いた。クロノ達は無線機等を見せる事で時を越えた世界からやってきた事を説明した。しかし魔族を見たのはこれが初めてであり、この世界とは歴史が繋がっていない異世界かもしれないとも言った。しかしマールが消えたことは歴史の繋がりを示していて、マールを助ける為にリーネの捜索をしていたという。
カエルは蛇女の一人は殺さず、リーネの居場所を吐くように脅した。蛇女(ミアンヌ)は居場所を教える代わりに親玉のヤクラから自身の身を守ってくれるよう保護を求めた。
リーネの居場所まで案内するのであれば、と約束するとミアンヌは大聖堂のオルガンを弾いた。鍵盤には血の跡、カエルはミアンヌにここの本物のシスターはどうしたのかと聞いた。
シスターとして成り済ます為、シスターの交友関係等の情報を聞き出すため、監禁しているという。オルガンは隠し部屋を開ける為の仕掛けになっていて、そこにシスターも監禁しているという。
どうやってリーネをさらったのか聞くと、ミアンヌも詳しくは知らされてない様子。しかし仲間内に空を飛べるディアブロという魔族がいるので、深夜に空から王妃の部屋に忍び込み、誘拐したのではないかという。
教会には他に40体の魔族が潜んでいる。奥の部屋から魔族達がぞろぞろとできて、カエル達を包囲した。
教会の周囲を定時巡回していたコウモリ魔族による通報にてクロノ達の侵入は早くから魔族らに知られていた。
同じく伝令のコウモリが王宮へ向かった。カエルが侵入したとの知らせを受けた親玉のヤクラは、その変身をガルディアの森で解いた。ヤクラは木を上り、森の上を駆け抜け教会へと向かった。
ヤクラが到着するまで、多数の魔族+VSクロノ、ルッカ、カエル
魔族側は人間サイズの蛇女。人間サイズの蛇。悪魔の様なシルエットのディアブロス。見た目がゴツイ鎧を着た魔族。
蛇女は上半身が人間、下半身は蛇であり、蛇の部分の長さが2mあった。蛇は体をとぐろ状にしてバネ状の運動をすれば2mの跳躍ができる。その瞬間の最高時速は80km。(人間の走る速度は15km)
蛇女はナイフの様な鋭い爪と牙を持ち、普通の人間ではまず勝ち目がないだろう。
バイターは全身が蛇であり、胴体の長さが10mある。バネを活かせば10m飛べる。その瞬間の最高時速は400km。普通の人間ではまず勝ち目がない。
鎧を着た魔族は強靭な肉体により、重装備(30kg)の重さをものともせず動ける。訓練された人間でもまず勝てない。
普通のカエルは一回のジャンプで自分の背丈の50倍以上飛べる。1mのカエルサイズなら50mジャンプできる。その瞬間の最高時速は推定2000kmにもなる。
だがそれは人間サイズのカエルが靴を脱ぎ捨て、足裏と地面との接着面を増やし、4足歩行スタイルにすると50m越えたジャンプができ、その瞬間の最高時速は2000kmになるという意味である
しかしカエルはあくまでも人間であり、靴は脱がないし、二足歩行のスタイルを貫く。ジャンプもスピードも純粋なカエルと比べたら遥かに劣るものの、しかし、それでも魔族を越える化け物じみた速度、最高速度は音速に匹敵した。しかもその速度に適応する強靭な肉体をも持っていた。
カエルの強さについては魔王のかけたうっかりミス、カエル化呪いの思わぬ副作用として、魔族界隈では有名な話だった。
【人間界のイレギュラーな存在カエル。もしカエルに出会ったら油断せずに全力で潰せ。】というのがヤクラとその配下の判断だった。
しかし、あまりに早い速度については目視してから即座に対応できるものでもない。カエルは敵の位置関係性を瞬時に把握すると、天井にジャンプした。ステンドグラスの光の反射に魔族らの目が遮られた瞬間、カエルは天井の壁を蹴り、最高速度にて一体の魔族を倒した。それはカエルがジャンプしてから1秒以内の出来事だった。一体が殺られた事に魔族らが気付くまで更に1秒程かかるが、その1秒の間に更に一体の魔族が殺られた。
次々に倒れる魔族らは、カエルのスピードに翻弄され、あっという間に半分の数になっていた。
リーネを人質にした魔族は、『大人しくしなければ、コロ』と言った瞬間に斬られていた。
クロノらの協力もあり、ヤクラが到着する頃には、全ての魔族(取引したミアンヌ除く)は殺されていた。
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ヤクラはゴキブリ様生物としてカエルよりも早く動けた。表皮もゴキブリ様に硬く防御力が高い。
ヤクラはカエルに負ける気はせず、大聖堂を縦横無尽に走り回ってカエルに突撃した。
連携技のエックス斬りをやる余裕なんてない。普通の人間であるクロノ達は救助された人たち(リーネも連れて)教会の奥へと避難した。
カエルも奥へ向かった。
大聖堂の奥部屋は細間っており、ヤクラは人間サイズに変身しないと入れなかった。
人間に擬態する魔法は極端に弱くなる仕組みがあった。
それが唯一の弱点ともいえ、ヤクラが人間サイズに変身する瞬間をカエルは狙っていた。
持久戦はヤクラにとって困る。
大臣に成り済まして王家と議会に潜入していたヤクラは新型兵器が配備される光景を目撃していた。ガルディアは魔族との戦争に備えて、より実用性の高いフリントロック式の銃をフランス等から輸入していた。
世界各国の魔族らはその銃の影響により領地を失いつつあり、ヤクラの所属する魔界もそれの対応に迫られていた。
教会での戦いが長引けば周辺住民が異常に気付き王家に通報しかねない。
新型銃を持った軍隊がかけつければヤクラにも勝敗はどうなるかわからなかった。
ヤクラは王宮が気付く前に決着をつけたかった。
体内からドリル状のもの生み出して発射できるヤクラ。奥の部屋に向けて発射した。ヤクラのドリルは避ける事ができない。
ヤクラの背から生み出されたドリルは空間を縦横無尽に動きつつターゲットを追尾できる。ヤクラはこのドリルを無意識に操れる。
その仕組みだが、ヤクラは触れた相手のDNAを無意識に覚え、その遺伝子にあるミトコンドリアが特有に発するエネルギーを感知して敵の居場所を知る。
直進するドリルが進行方向を変えられるのはミサイルが方向転換する仕組みにも似ている。ミサイルのように独立したエンジンや燃料機関の構造を持ち、遠隔で方向操作する仕組みをヤクラは細胞レベルで生み出している。
ヤクラの背中から5つのドリルが生み出され突撃するた。カエルはヤクラのドリルを剣で全て弾いた。
限度がないのかの様にマシンガンのごとく、次々とドリルがカエルに襲いかかかる。
ヤクラのドリル生成力はとてつもなく高かった。まるで無尽蔵に尽きる事なく生成されるドリルのエネルギー。、実はその元は地中に眠るラヴォスからであり、ヤクラはラヴォスから無意識にエネルギーを調達している生物だった。
カエルは観念して広間に出た。再びヤクラとの近接戦闘に。
カエルは盾を捨て、代わりに日本刀を持っていた。二刀流のカエルは一人でエックス斬りをし、二刀流の乱れ斬りをした。
カエルの剣は刃こぼれしていたが、クロノの刀は丈夫だった。現代のボッシュが魔力を込めて作った特殊な刀であり、ヤクラの高い防御力にも効果が絶大だった。
ヤクラは自分を傷付ける剣は、未だかつてグランドリオンしか見たことなかった。グランドリオン程のパワーはないが、想定外のダメージがヤクラに蓄積されていく。
カエルもヤクラも戦い疲れ、疲労が貯まっていた。
ヤクラは諦めて教会を明け渡すべきか迷っていた。
そっくりに化ける魔法は既に完成していた。。化けたい人間の髪の毛(遺伝子)を採取し、決められた魔方陣の上に置き、決められたコードに沿って呪文を唱えるだけでいい。王族や従者らの髪の毛は集め終わり、魔法化には成功した。これにより、魔力の高い者はいつでも王族や従者に見た目から声色までそっくりに変身できる。王宮にはヤクラの配下の者が他にも潜入している。アジトは教会以外にまた作ればいい。カエルが保護したミアンヌは魔術の詳しい情報までは知らない。あえて口封じをするまでもなかった。
ヤクラの【王家に成り済ましてガルディアを支配する計画】は一旦保留となった。計画を再開できる日を夢見てヤクラは退却した。