「吉原御免状」 其の弐
寂しさと残念さと、嬉しさと、何だかもやもやを感じながら会場を後にする。
終わりに対するもやもやは何時もの事だ。高揚した後も、虚しくなりがち。でもどうも違う。
矢張り少し残念だった。
話を消化しきれていない自分が。堤さんに現を抜かしていた自分が。
冷静さを持たず観た奴に、話の良し悪しが判るのか。
折角のラストも泣きなんしバレしていた為、台無しだった。嗚呼。
難しかった。それは本当。もう一度、観たい、直ぐに思った。唯の一度では、飲み込めない。
映画の方が好みかもしれない、とも思った。舞台は、私には非日常すぎて入り込めないのか?
セットも、台詞も、感情表現も。
否、一度ではわかる筈もあるまい。これから、色んな舞台を観たい。
話の端々で、これはこういう意味を持たせているのかも、と推測はしていた。千秋楽も観れず終了した今、DVDになる事を願うばかり。
純粋無垢な誠一郎にも惹かれるが、最後の誠一郎こそ、人間だった。
全てを知ったひとの優しさは、本物。私にそれがわかるだろうか。
是非本物に、出逢いたい。
帰宅してから母に、身振り手振りを交え大きな声で逐一報告した。忘れない様。
良い席で鑑賞出来た事も偶然ではないだろう。
感謝。
それにしても松永と柳生の斬り合いは、格好良かった。
御魅足の逞しさ、丸見えで御座居ました。
「吉原御免状」
10月19日(水)
念願の吉原御免状を観てきた。
舞台初心者の私にとっては、豪華すぎた。顔ぶれもお話も。
始まって暫くは、堤さんに初めて逢えた悦びに浸ってしまい、いけなかった。
中々話に入り込めない。
ああ、不純。
矢張り、目当てのおひとが居るのは間違いだと、反省した。
あちきも業が深いをんな故、手が冷たいのでありんすか。
松雪さん、お美しい。初めのくろあ言葉が絶妙だった。
休憩時間にパンフを手に入れる。
二幕からは漸く集中力が出てきた。
二時間四十分は、実にあっという間で。
この日のカーテンコール、六回!!
何せ総立ちだった。
二度の終了アナウンスの声を掻き消しの古田さんからの登場には、大変沸いた。
下手側に礼をされるその瞬間、目が合った。
堤さんと!
間違い無い。
