11月に入りました。
これから「冷え性」の方には特に辛い時期となります。
鍼灸院に来院される方の慢性症状の多くは「冷え性」を伴います。
これには「かくれ冷え性」という本人の自覚のない
気づかない身体の冷えのある方も含めます。
「冷え性」は特に女性に多く、
女性の7割近い方が「冷え」をつらいと感じています。
最近は男性も1割の方が「冷え」を苦痛に感じています。
ちなみに最近問題になっている
「低体温」は「体温が36℃未満の状態」で、
「冷え性」は「体温が何度以下という考え方とは違う」
ということで定義されているようですが
東洋医学的には、どちらも「冷え」として
二つを分けて考える事はありません。
「冷え」については認識の違いもあり、患者さんに
「今の症状は冷えが根底にありますね。」
と話しても
「私は冷え性ではありません。」
と否定されることもあります。
実際に治療中の患者さんの肌に触れると
手足やお腹、腰回りが冷えている場合も多く、
触れられた患者さんは
そこで、私の手の温かさを感じて
初めて「冷え」を実感されることもあります。
西洋医学には「冷え性」という病名はありませんし
「冷え性」に対する治療法もほとんど見当たりません。
また、
自分は「冷え性」だと感じている方でも
病気と結びつけて考える方は少ないようです。
一方で東洋医学では「冷え」を
「気」の巡りが悪い状態であると捉えます。
「気」の巡りの悪さは「血」や「水」の停滞を招きます。
「気(き)・血(けつ)・水(すい)」が
バランスよく滞りなく身体を巡っていることを
健康とするのが東洋医学ですから
「冷え」というキーワードは
東洋医学においてはとても重要になります。
「冷え」は「未病」の状態にあるとも言えます。
「冷えは万病のもと」とも言います。
「冷え性は体質だから」とあきらめている方も多いようですが、
「冷え」には鍼灸が効果的です。