まさごんです。
タイトルは私の好きな医学用語の列挙です(笑)。大腸がんステージ4の私の目線での記事になります。素人の私の理解ですので、内容に間違いなどありましたらご容赦ください。
少数転移(オリゴメタスタシス)は、ステージ4であってもある程度の期間、少数個の転移に留まっている状態のことを指すと理解しています。大腸がんでは他のがんに比べると比較的見られるケースらしく、これが大腸がんで転移病巣を切除する判断が他のがんに比べて多い理由。
少数転移の場合は転移病巣を切除したり放射線治療したりすることで生存期間を延長できる可能性あり。少なくとも今の時点では、ステージ4から根治を目的とした治療を受けるには、少数転移と判断される必要があるはず。実際に大腸がんステージ4から長期生存した方は、肝臓などへの少数転移を切除できた場合が多いのではないかと推測します。
アブスコパル効果は放射線治療で昔から稀にみられる現象らしいです。複数のがん病巣がある場合に、放射線治療した病巣以外の部分のがんが縮小、消滅するというもの。放射線で破壊したがん細胞が免疫の役目を果たすと考えられているそうです。
そう聞くと少数転移じゃなくても、稀にしか起こらないとは言え、一部の転移巣に対して放射線治療してみたくなります。でもガイドラインに沿うと、適応は治療目的であれば少数の全てのがん病巣に照射するケースになるでしょうからね。あるとすれば緩和目的の放射線治療で偶然の一発逆転、でしょうか。
アブスコパル効果から連想されるのが、今話題の楽天メディカルの光免疫療法です。「免疫」と名が付く理由の部分が、素人の私にはアブスコパル効果と似た話に聞こえます。発現のメカニズムや発現確率が違うのかもしれません。光免疫療法の方はまだ人でのデータがないようです。
現時点で進んでいる光免疫療法は、EGFRというタンパク質ががんに発現したものがターゲットのようです。EGFRにセツキシマブという薬をくっつけて使います。私は大腸がんBRAF変異陽性ですが、この場合はほぼKRAS変異陰性になります。私もそうです。そしてKRAS変異陰性ならEGFRは発現しているはず。
セツキシマブは、分子標的薬としては大腸がんBRAF変異陽性に対して効果が薄いです。でも光免疫療法の場合はセツキシマブががん表面のEGFRにくっつきさえすれば、がんをやっつけるのはセツキシマブではなく光照射がやってくれる。
つまりセツキシマブを本来の分子標的薬として用いる場合は、BRAF変異があるとくっついたあとがうまく行かないのですが、光照射であれば局所治療ではありますがそこを解決できるという理屈になるのかなと思います。
そういう意味では、光免疫療法はBRAF変異陽性の遠隔転移大腸がん患者に適用しやすいのかもしれません。大腸原発巣への適応は難しそうなので、これは少し先になるかも。転移巣の場所が光照射しやすければ、こちらは比較的取り組みやすい?
アブスコパル効果も光免疫療法も、免疫チェックポイント阻害薬などとの併用による免疫効果発現率向上が研究されています。どんどん進化しますね。全身転移ステージ4患者の根治という、これまでの常識を超える治療になるといいですね。
アブスコパル効果と免疫チェックポイント阻害薬
光免疫療法と免疫チェックポイント阻害薬
私は大腸近傍から左鎖骨上のリンパ節(ウィルヒョウリンパ節)まで複数の大腸がん転移がある状態です。一般的に考えると、全身にがん細胞が行き渡っている可能性が高いようです。
光免疫療法と免疫チェックポイント阻害薬
私は大腸近傍から左鎖骨上のリンパ節(ウィルヒョウリンパ節)まで複数の大腸がん転移がある状態です。一般的に考えると、全身にがん細胞が行き渡っている可能性が高いようです。
ですが、ここで書いたような新しい治療法の進展によって「そこに道はきっとある。今はなくてもいつかはできる」と念じ、その道を歩いていけるように患者にできる準備をしたいと思っています。
私が頭の中で描くハッピーストーリーを進める上で欠かせない三つの医学用語、やっぱり好きです(笑)。