場所はつくばマラソンコースの35km地点。
雨はとっくに上がっており、
日は出ていないもののあまり寒さは感じず、
汗かきの人にとっては脚攣りが心配になりそうなくらいの気温だったかもしれない。
僕はサブ3.5狙いのはちさん(旧HN:ukkarihachi)を待っていた。
一緒に応援している原パンさんも、
奥州きらめきレポではちさんのことを知り、
「こんなに面白い人がどこに隠れていたんだ!?」
とすっかり虜になったもんで、
生のはちさんを見られるのを楽しみに待っていた。
世間の毒を持っている美人のお姉さまは、
はちさんも熟女パブを開こうかっていうくらい、
地下人気があるみたい。
ランナーズアップデートを見ると、
きっちりキロ5アンダーの良いペースで進んでいたはちさんだが、
25km~30kmのラップは25分5秒。
サブ3.5達成のための平均ペースは、
キロ4'58"6なので、
5kmラップでは、
24分50秒強でイーブンペース。
25~30kmのラップが25分を超えたのは、
限界だからなのか、
それとも30km以降に備えて力を溜めたのか……。
どうか後者であって欲しい。
そして早くここ(35km地点)にたどり着いて欲しい。
zunzumanさんやヨッチャキさんといった、
サブ3.5ペース前後で進んでいたと思われる方々が過ぎても、
はちさんはやって来ない。
第二ウェーブで5分後スタートの時間差を考えても、
もどかしい。
はちさんの姿が目に入るまでの5分間を、
どれだけ長く感じたことだろう。
そして目に飛び込んできたはちさんの顔は、
まだまだ元気がありそうだった。
こちらへ寄ってきて、
原パンさんこめきちさんとハイタッチしようとしているけど、
はちさんはお二人と面識がないので、
『このひとたちだれだろう?』となっていた。
原パンさんも、ブログではちさんを知ってはいるけど、
『タッチしていいの?』といった感じで迷っていた。
マジック〇ラー号かぽまいらは!!w
なりふり構わず、
僕は歩道を先へ向けて走り出す。
~ ~ ~ ~
35kmの計測マットを踏んでしばらくしても、
ランナーズアップデートのラップがアップデートされない。
手元の時計は走りはじめで安定しておらず、
キロ520とかのペース表示になっている。
「やっぱりはちさんは30kmで撃沈済なんだろうか。」
と悪い想像がよぎる。
36km付近で、ようやくアップデートがきた。
「35km 24:48」
きた!持ち直している!!
36kmを過ぎで、幹線道路からはなれ、
つくば大へとつづく田舎道に入るため、
急勾配の陸橋を登る。
はちさんはまわりと比べても脚が動いている!
「ここを登れば(サブ3.5は)もらったようなものですよ!」と声を掛ける。
坂を登りきり、降りている途中で、
はちさんがだれか知り合いに話しかけられ、
はち「あー!ペチャクチャペチャクチャ!」
と、元気よく反応していたのをみて。
これは決まりだな。と思った。
僕はペーサー、というよりは、
歩道を走りながら応援といった感じ。
歩道はでこぼこしていて、
一定ペースなんて刻めないし、
車道とも距離があるので、
先導なんてできない。
たまに時計をみるとキロ440ペースだったりで、
はちさんがはるか後ろにいたりした。
僕はただ、はちさんの視界に入って、
ただ、声援を送るだけの人。
試走のときに発見し、はちさんが喜んでいた
妖しいカラオケスナック脇を通った時に、ふとおもう。
「歌でもうたってやろうか?(We are the championやらロッキーやら)」
が、だれも幸せにならないだろうからとすぐに放念した。
大学へと続く畑に囲まれたのどかな道で、
ヨッチャキさんをパスするとき、
「だれかと一緒なの?」と聞かれ。
「(ヨッチャキさんの)横の人です」と僕が答えると、
「ど、どうも…」とお見合いが始まって。
だからマジック〇ラー号かぽまいらは!!2
39km、つくば大学構内へ。
あれ?予定より手前じゃね?
と思いつつ、ピンク色したパツキン、
と書くとイヤラシイが、
セイラコスのかっきぃパイセン。
ぷらす、ゆうきゃんコンビ。
が目に入る。
「ゼッタイいける!ゼッタイいける!」
はちさんと応援隊がハイタッチ!
思えば、はちさんとの出会いは、
パイセンと三人で新宿スバルビル前に集合した
2年半前の箱根ランフェス出発前。
あの頃から言っていたサブ3.5。
できるできると言いつつ、
3年の月日が経過したが、
いま、ようやく目の前のところにある。
なお、ガンダムコスプレ応援隊はこの日、
この瞬間が唯一の合流ミートグッバイ。
そしてこの一連の流れを、
近くを走っていたzunzumanさんが、
ニヤニヤしながら眺めていたw
(先月手術からの完走ナイスランです!)
40kmのマットを通過。
残り2km地点で貯金1分。
もう大丈夫だ。
構内の急傾斜な陸橋を登る足取りもしっかりしている。
応援のぱるさんとも一瞬すれ違った。
競技場の手前で、
これまた応援のサムさん(たぶん酔っぱらい)がフラフラしていて、
はちさんになにかちょっかい事を言っていたw
競技場の入り口でこの写真を撮って、
finishゲートへ向かうはちさんを見送る。
グロスタイム3時間28分59秒のサブ3.5達成
僕も別ルートで競技場へ入る。
ランナーと一般客をへだてる柵越しに、
ゴールしたはちさんと再会。
はちさんは泣き出した。
雨はとっくに上がっていたんで、
雨粒とかであろうはずはない水分を流しながら。
子供のように「ふえ~ん」と、
僕の手を握り、目からキラキラしたものを流していた。
僕も目から、
キラキラしたものが、にじみ出てきた。
ふだん「ギラギラ!」とか「ゲスゲス!」
とか言い合っている二人からしたら、
ちょっと珍しい光景。
けれども、いいなこういう光景。
写真なんか撮んねーし。
脳裏で独り占めするし。
だけど、その様子のことは、
いろんな人に話したくなる。
不思議と。
がらっぱちなそらさんも、
香川のお風呂で、
泣いてたみたい。
ゲンさんもちゃんと、
(高級電○をいじりつつ)アップデートを見ていた。
いつもだったら、
応援後も、陣地とかでお酒を飲むのだけれども、
この日は応援だけで満たされていた。
その後はちさんはY部長達が待つ陣地へ向かった。
僕はというと、
雨で泥の湿地帯と化した会場広場の、
閑散としていた出店群で独り。
一杯だけビールを買って飲んだ。
そして近所のHiroさんと相方さんと落ち合い、
車に乗せられて、いい気分で松戸に帰りましたとさ。
おわり