22年前。
阪神淡路大震災が発生した年。
映画は、当時の映像を映し出すところから始まります。
その同じ年に5人の命を奪った東京連続絞殺事件。
懸命の捜査にもかかわらず、犯人は見つからず事件は時効を迎えます。
2017年、テレビ中継された記者会見場に犯人を名乗る男が現れます。
「はじめまして、私が殺人犯です」と語り始める男。
彼・曾根崎雅人(藤原竜也)は、22年前の事件についての告白本を発売し、メディアはこぞって彼を取り上げ、ネットは騒然、ファンを公言するものも続々と現れます。
出版記念サイン会で長蛇の列ができる中、会場内に銃声が轟きます。
あらかじめ危険を察知して会場に駆けつけていた牧村刑事(伊藤英明)の身を挺した守りで事無きを得た曾根崎でしたが、続いてナイフの一撃が彼を襲います。これも牧村が身代わりで血を流しながら防ぎます。
牧村刑事は、当時の担当刑事のひとりで犯人を追い詰めながらも逃し、上司を失くし、自らも深手を負います。
銃撃した男は、22年前の事件で組長が大切な人を失った橘組の構成員であり、ナイフを放った女性は同じ事件で父親を失っていました。
時効で法的に守られても、決して犯人を許さない思いは渦巻いていました。
そして、ニュース番組への曾根崎出演が決定。
番組のキャスター仙堂(仲村トオル)は、曾根崎と牧村刑事をスタジオに招き、前代未聞の生中継による殺人犯へのインタビューが始まります。
この映画、予告編で見事に騙されます。
確かに予告編で騙されることはありがちなことですが、この物語が持つ2重構造が予想を遥かに超える展開へと観るものを急転直下持っていきます。
そこにはもっともらしい理由が語られますが、その行為は残虐で許すべからざるものでした。
牧村刑事の犯人への憎しみの深さ、そして絶望の真実を知るときに悔しさや悲しみが溢れてきます。
22年目の告白 -私が殺人犯です- (2017年 日本)
監督 入江 悠
脚本 入江 悠・平田研也
出演 藤原竜也 伊藤英明 中村トオル 夏帆 野村周平 石橋杏奈 竜星 涼 早乙女太一
平田満 岩松了 岩城滉一 ほか
『22年目の告白-私が殺人犯です-』 記者会見映像