「目覚めたのには、理由がある----」
「宇宙版タイタニック」などのキャッチフレーズに誘われて観に行った映画『パッセンジャー』。
宇宙旅行のロマンと恐怖を目の当たりにできる作品でした。
そう遠くない未来。
史上最大の宇宙への移住を目指して、5000人の乗客と258人のクルーを乗せて地球を旅だった豪華宇宙船アヴァロン号でしたが、隕石の衝突で船内に障害が発生、冬眠中のエンジニアのジム(クリス・プラット)はただひとり30年の眠りから覚醒します。
地球から目的地までは120年の行程が必要で、彼は90年も予定より早く目覚めたことになります。このままでは、一生を宇宙船の中でただひとり終えることになる。
茫然自失となったジムは一時は自殺さえも考えましたが、バーテンダーのアンドロイドのアーサー(マイケル・シーン)との会話でなんとか心の平衡を保っていました。
1年後のある日、知的で魅力的なオーロラ(ジェニファー・ローレンス)に出会ったジムは、自らの運命に絶望する彼女を励まし、かけがえの無い時間を共有します。
ジムの移住の目的は、壊れたら何でも交換するという時代にエンジニアである自分の居場所が無くなったと感じ、移住地で自分の技術を役立てたいという思い。
一方で、オーロラは作家の父を持ち自らも作家業に就き、今回の体験を作品にしたいという思いでした。
やがてふたりは愛し合うようになりますが、アーサーの何気ない一言がオーロラにとてつもないショックを与えます。
機を同じくしてアヴァロン号に同時多発的にエラーが発生し危機的な状況に陥ります。
眠れる多くの乗客とクルー達の運命はジムとオーロラのふたりに託されます。
夢見た新天地での生活を迎えるはずが一転、一生を宇宙船の中で終えるという運命に直面したら、きっと自分も絶望するかも知れません。
この物語では恋する気持ちが絶望を救うのですが、そこには許されざる行為がなされていて先の見えない混沌とした雰囲気が漂い、もはやスリラーと思わせます。
後半の物語の展開で、その行為の是非はあいまいになり、生死をかけたスペクタクルが展開していきます。
ラスト近くではタイタニックを彷彿とさせる様なシーンもあり、そのときにふたりが選んだ道はいつまでも余韻を残します。
パッセンジャー (2016年 アメリカ)
監督 モルテン・ティルドゥム
脚本 ジョン・スペイツ
出演 ジェニファー・ローレンス クリス・プラット マイケル・シーン
ローレンス・フィッシュバーン アンディ・ガルシア
