おととい来やがれ! -55ページ目

ただただ、悲しい。

それなりに歳を取ったせいか、最近、テレビを見てると知ってる芸能人やスポーツ選手の訃報が凄く増えた。そういうニュースがあっても、以前なら「この人誰やろ?」みたいなのが多かったが、最近は知ってる人ばっかり。

先日、お盆で帰省した際も、帰れば当たり前の様に見かけた近所のおじいちゃんやおばあちゃんの初盆があったり、同級生の親が亡くなってたり、同級生が亡くなったり、父親の七回忌がもう来年だったり、、、確実に以前よりも「死」というものをリアルに感じている。

俺は今でも、そんなに長生きしたいとは思っていない。ただ、親になって、産んで育ててってしてみて、やはりこの世に生を受けたんやから、自分の子供らにはしっかりと人生を全うしてほしいと思うし、俺自身も自分の人生をしっかり全うすべきなんやと、最近は考えるようになってきた。久しぶりに母親の顔を見て、改めてそう思ったし、もちろん母親にも一日でも長生きしてほしいと思う。

柄にもなく、そんな事に想いを巡らせてた矢先の今日、すごい現場に出くわしてしまった。

とあるショッピングモールの駐車場待ちのため、俺は建物の裏側まで延びた列に車を並べて発車と停車を繰り返してた。そこは荷物の搬入口とか従業員用の通用口とかの近くで、路肩に寄せた俺の車の斜め左、植え込みを挟んだ歩道の脇に3人の男女が立ち話をしてた。

その位置に停車して何分か経った時、ちょうど俺の車とその3人の間の歩道に、何か落ちるのが見えた。見えたと言うより、視界を過ぎたという感じか。そう認識した瞬間にもの凄い衝撃音がした。

鉄骨か何かかと思ったが、人だった。

3人の中の男性がすぐ110番だか119番だかしてて、警備員も出て来た。駐車上待ちの車からも何人か飛び出して来た。でも、俺もそうだったが、チョロチョロ列が進むので、何も出来ないまま車内に戻り、また車を進めた。

警備員がAEDとか持ってきて、シートの中で救命作業に当たっていたが、おそらくは・・・・・・。若いのかどうかとかもわからんかったが、女性だった。

どういう経緯でそういう事になったのか察しもつかんし、目の前の光景があまりにもショッキングで、今でも何と言って良いかわからん。ホンマはこういうとこに書くんも相応しくないのかも知れんけど、それでも今ここに書いてるのは、いくらかは俺自身の気持ちを落ち着かせるため。

今にして思えば、落下地点に誰もいなくて幸いだった。とか思えるけど、その時に何を考えてたかとか、よく思い出せない。何も出来んまま車を進め、現場を離れるにつれて冷静になってきて、何と言うか、ただただ悲しかった。

事件なのか事故なのか、それとも自殺なのか、その方の背景を知る由もないが、ひとつの命の結末として、色んな意味で悲しかった。

悲しいけど、これも「命」なんやろうな。

生きてると、こんな日もあるんやね。

重たいね。