処置室?と言われたが独房に入れられるということがあった。
今でも何故入れられたかはわからない。
ソファーでテレビ見てたときに、
いきなり数人の男の人に抱えられ入れられた。
多勢に無勢、組織に個人は無力だと思わされた。
突然で何が起こったかはわからない。
独房の入り口で説明聞くも理解できない。
仕方なく、看護師さんの目で判断することにする。
みんな真剣な目で私を見返す。
マコトだなと思った。
最後の女の看護師がそっぽを向いた。
あれ、この看護師は初めて見るな。
しかし、すぐにその看護師は顔を戻し
真剣な眼差しで見ている。
これは、みんな真剣な眼だ。
悪いことはなかろうとすべてを受け入れた。
部屋に鍵がかかった。
周りを見渡すと地面に布団と枕がある。
光を通すだけのすりガラス。
鉄の便器のトイレ。
1室にそれだけだった。
これはテレビで見た独房と同じだった。
すべてを受け入れたとはいえストレスがかかる。
私は叫んでいたらしい。
吉田松陰の辞世の句と同じ境遇なので
「親思う心にまさる親心 けふの訪れなんと聞くらん」
吉田松陰は切腹を申し渡された。
そのときに呼んだ句だ。
子が親を思う心より、親が子を思う心のほうが大きい。
今日の切腹をする知らせを聞いた時親はどう思うだろうか。
これだ。
親は精神病棟に入れて治療を受けている。
その息子がまさか独房に入れられいるとは思うまい。
その辞世の句を叫んでいた。
あとから、看護師さんに聞いたけど
なに叫んでいたかわからなかったという。
歴史も学ばなきゃね。
あとは、新選組の沖田総司と近藤勇を混ぜて
沖田勇参ると片膝に刀があるとして右横払してた。
沖田は繊細で速さはあったが、剛がなかった。
近藤は剛があったので混ぜて、沖田に
虎徹(無骨な剛の刀)を持たした感じだ。
この2つを発することでストレスに戦った。
食事は食事窓が開き、そこからもらう。
トイレは鉄で冷たかった。
紙がほとんどでなく足りるかなと心配した。
水流しはボタンを押し、外で手動で流すようだった。
ホリエモンは、独房で淋しさから号泣したという。
私は泣かなかったが、水分補給に困った。
呼んでも来てくれなく、プラスチック製のコップを何度か
壁に叩きつけコップを破壊した。
孤独にはある程度強いが、仲間がいた。
丁度、夏から秋に変わるところで秋虫たちの声を聞いていた。
実家でも寝付けなく早朝のカナカナ声を聞いたり、
夜寝れないときは秋虫の声を聞いていた。
天然のサウンドである。
特に、コオロギの声が好きだった。
1週間後だろうか、10日後、2週間後だろうか。
突然出されることになった。
なにやら、私の言動が周囲を怖がさせて
調子を崩したらしいが、思い当たるのは
絵本を読んで元の場所に返して読んでとしてたくらい。
たが、看護師さんに一度に2冊つまでと言われたので守った。
それで、部屋と行き来してたがトップスピードでやっていたからか。
他の患者と看護師がもう大丈夫ですか?と聞いていた。
この二人にはめられていたのだろうと推測したが流すことにした。
怖いわ。
- 前ページ
- 次ページ