10月25日
昨日から始まった家の無い生活、拠点は宇野君家(構成作家)になったのだが今日は早速都合が悪く他に宿を探してほしいとの事なので宿探し。
まあ元からバイトの夜勤明け以外は他の人の家に泊めてもらって宇野君の負担を減らそうと考えていたのでこれは想定内だ!

さーてと宿探しだ!!宿を探そう!宿を・・宿・・ん?あれ?何だ?やり方が分からん・・
そうなのです!漠然と宿探しと考えていましたがいざ宿を探すとなるとコレ経験の無い事なので意外にやり方が分からないのです・・
いや、そりゃ今までの人生で人様の家に泊まった事は何度もございます。
ですがそれって飲んだ流れで終電が無くなったり、もしくは楽しくってその流れで
「今日泊めてよ!」というセリフが自然に出る。という言わば流れと言う理由がそこにはあるのです。
それが全くの流れの無い状況で真昼間からいきなり誰かに交渉するしかない・・
これ以外に普通に暮らしていたら一生ない状況だ。

とりあえず電話をするしかないな。最初は地元の友達から攻めてみるか都内に出て来ている奴はと・・         

「もしもし、~?久しぶり何してんの?」
「おーガン太久しぶり、今は仕事中だよ。」
「そうかー土曜なのに大変だな!」
「まあ俺の仕事は平日休みだからねー」
「うんそうか・・忙しそうで大変だ・・」(全然言い出せない)
「うんまあね」
「そっかー・・」
「・・」
「・・・」
「え?何?なんの電話なの!?」
「あー、ああ、あのさー!オレ今家が無くなっちゃってさー!」
「ええ!?は?何家が無いって!?」
(ここから長い説明があり)
「と言う事で今夜泊めてくれないかな?」
「わりい、俺結婚してるからさー泊めてやりたいけどごめんねー」“ガチャ”
あ、そうだ結婚してるんだった忘れてた・・・
そうです。ボクの同級生と言えばもう30歳です。一番仕事が忙しい年代でもありますし家庭もあったりするし中々簡単に泊まれるものではないのです。
参った。想像以上に手間がかかるな。家が無くなった理由を必ず長々説明をしなければいけないのが実に手間がかかる。

やはり芸人か、芸人に頼るしかないな。芸人に電話だ
「おう、~今日何してるの?」
「今日はライブですよ。」
「うん、そうかー家無くなっちゃってさー今日泊めてほしいんだよね。」
「え?何で家無くなったんですか?」やっぱりこれは一緒か・・
(長々と説明)
「と言う事で今日泊めてくれ!」
「あースイマセン泊めたいんですけど今日夜は夜勤バイトなので・・」“ガチャ”
くっくそ・・早く言ってほしい長々説明した後に断られるのは損した気分だ・・

この後も何人かの芸人に連絡するが全然ダメだ、理由は同棲中などいろいろあるが一番多かったのが今日は夜勤で家にいないから鍵が開いていないと言う理由だった・・
これは盲点だった。いやそりゃそうだよ・・冷静に考えてみれば確かに芸人何て夜勤しかバイトする時間が無いのだから大体の確率で夜いないのだ。まいったな芸人ならチョロイと思っていたのに・・

追い込まれてきた・・最後の頼みだ『まもるんるん。』という昔の事務所で一緒だった腐れ縁の芸人に電話をすることにしよう。
事務所が代わってから連絡を取ることもめっきり減ったけれど、確か奴は彼女と同棲だったはず・・希望は薄いがダメもとだ!ここがダメならもう泊まる所は無い・・

「もしもし、まもる?」
「もヒもヒ?どうヒたの?」(滑舌が悪い)
「おお、元気かなーって思って。」
まずはご機嫌をうかがおう・・何とか彼女を他に泊まらせに行かせ強引に泊まっちゃおう・・
「いやー元気じゃないヒョ。」
ん?意外な答えだな・・元気じゃないだと?
「何だよ元気ないって?」
「いやーヒョット聞いてよ。彼女にフラれちゃってさー・・」
!!??なっなに!?彼女にフラれただって?・・と言う事は・・
「へー、あの同棲してた彼女だろ・・じゃあお前今一人なのか?」
ボクは逸る気持ちを押し殺して冷静に聞いた
「1人だヒョ、結構この前の事だからさ寂しくて寂しくて・・」
・・何だって・・別れて今一人だって・・何てタイミングがいい彼女との別れなんだ!
よっしゃー!!!このタイミングで同棲が解除されていたとはツイてるぜー!!!と心の中では狂喜乱舞状態ですがそんな事は絶対に悟られてはいけません・・

ボクは何とか感情を押し殺し出来るだけ神妙にこう言いました。

「そうか・・大変そうだな・・自分の事のように悲しいよ・・今日家行って話聞こうか・・?」

「・・うん、はなヒ聞いてヒョー。」
!!宿決定の瞬間でした!!

そしてボクは夜約束通り泊り行かせてもらいしっかりと彼の話を聞きました。
一通り話は終わったので実は自分は今家が無いと言う話をしてみる。
すると「全然うちに来ていいヒョ!」との事!!
何なんだ!こいつは天使か!?と思ったが忘れていたが「まもるんるん。」とはそういう細かい事はまったく気にしない良く言えば“でかいやつ”悪く言えば“ガサツな奴”だったと言う事を思い出した。(チャリンコの鍵を閉めないもんだから年3回ほど盗まれるのにずっと鍵を閉めずに盗まれては買い続けているような奴です。)

「でもお前夜勤バイトの時は流石にダメだよな?」
「ああ、俺カギかけないから勝手に入っちゃてていいヒョ。」
何なんだ!こいつは!?天使か!?と思いましたがこいつは良く言えば“でかいやつ”悪く言えば“ガサツな奴”なのです!(まさか家の鍵まで閉めていないとは思いませんでしたが)

こいつは、良かった。宇野君家の他にも拠点が見つかった!しかし宇野君は綺麗好きでしっかり者だが「まもるんるん」は真逆だ。
まるでしっかり者の彼女が居るのにそれとは正反対のやりまんのスケベ愛人を見つけたかのような喜びをかみしめそろそろ風呂に入ろうとおもった。
家が無いと泊まらせてもらった家で風呂を使わせてもらえるのが一番の喜びなのだ!!

「まもるんるん。風呂借りるねー♪」

「あ、ごめん今水道止まってるから風呂入れないヒョ。」
「・・え?」
「水道止まっヒャってるの!トイレも出来ないヒョ。6か月支払滞納しヒャったよ(笑)」
ええ・・一番最後に止まると言われている水道を止めたのか・・
コイツ・・ただの“ガサツ”じゃねえか!!!!
「ハズれだな・・」
ボクは無意識にこの家外れだったという意味で口に出してしまいました。
「何だヒョー!!ハズれってー!!どういう意味だヒョ!!泊めてもらってるのに酷い言いようじゃないか!!!」
「だって、家泊まるイコール風呂みたいなところが有るだろうがよ!!滑舌わりーんだよお前!!」
「滑舌関係ないだろうヒョー!!もう家使わないでいいヒョ!!」

ボクは出来た愛人をすぐ失ったのであった。
               つづく

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