ここは
田舎の小高い所


見渡す限り
真っ黒い夜



月も雲間で
隠れん坊


探せど探せど
見つかりゃしない


眼下に広がる
真っ暗闇に


ぽつりぽつりと
明かりが灯る




星に負けじと
うちに灯すは
夢か希望か


光を持たずに
溶け込めば闇



一寸先は
何も見えない



暗闇に突如
照らされるライト



射す光だけが
世界に誰かの存在を示す



光射すその先に
伸びるは
ただ一筋の道




あぁそんなところに
道があったんだ
『つみきのいえ』を見て大変感動いたしましたので、個人的な表現をしてみました。



『つみきのいえ』


忘れてしまった
想いはどこに



海に囲まれた
この場所で


気がつけば
一日が終わる




大きな海を切り取った
自分だけの海に


投げ入れた釣針



得るため待つは
今日を生きる糧



いつものように
ワイングラス片手に



一人見るのは
ブラウン管の世界



寂しくはないさ
水鳥の声
さざ波の音



目を閉じて
一日の終わりに
呼吸を感じる




ここは一体
いくつめの家?



遥か遠くに感じた空に
一歩一歩近づく現実



逃れるため
また生きるため



一つまた一つ
積み上げたレンガ



重ねた想いの
行き先も


分からず過ぎ去る毎日よ





なくしてしまった
思い出のパイプ



代わりは他に
見つからなくて



潜ると決めた
記憶の海へ



なくしたもの
捜し求めて


記憶の扉を開くとき




深く深く
沈めた記憶



沈んだ想いは
確かにそこに



潜り潜れば
いつかのあなたに



会えるかな




深く深い海の底
記憶に漂う
始まりの家



思い起こせば
あの日から
積み上げた家は



思い起こせば
あの日から
二人の笑顔は



今でもここに




記憶の海に漂いながら
口から零れる水泡に
呼吸を感じる




海に囲まれた
この場所で


気がつけば
一日が終わる



新しく出来た家
並べた写真



テーブルの上並べた
ワイングラス二つ



寂しくはないさ
確かにあなたは
いつでもそこに




さよなら言わずに
あなたとともに