訳あって 約八年間にためた700首の短歌から15首選ぶことになった。はいはいとばかり 二日がかりで 気ままに選んだら50首あった。まずは 自分らしい短歌、その時の情景が自分にとって 特別な短歌、思い入れの強いものが選ばれた。
さて、とりあえず 半分にしようとした時、短歌の良しあしは分からないが 好きな歌があることに気付いた。花・山・旅だ。意外と茶の歌は除外しても 気にならない。特殊だからかなと思った。
50首選んだ内の花の歌は・・・・・
これほどに完成されて咲くものか「ラブ」という名の紅の薔薇
返り咲く木苺の小枝手折り来て小瓶に挿せり霰降る宵
花びらの表と裏の色違う「ラブ」と言う名の紅の薔薇 平21.8
黒バラと呼ばれるほどの深き紅「ミスターリンカーン」伸びやかに咲く
朱色の小さき花の薔薇の列「ブラスバンド」の名前に笑まふ
「めいっぱい上向きに咲く」と書かれあり片栗との対比東一華は
夏空に唐子微笑み舞う如しノウゼンカズラ宙に絡める
灼熱のハノイの町は美しきオオバラサルスベリの紫の花
ハロン湾目指す道中は夾竹桃花の街道五月の青空
淡々とアキノノゲシの咲く野辺をモンシリチョウの如く散歩す
我が庭に植えし木蓮この春は百包の蕾空に掲げて
蜘蛛の巣に桜の花びら五六片風に舞い散る形とどめて
石蕗の花咲く前に立つ夫を大きく写して受賞寿ぐ
ハロン湾に恋がれし人を思いおりバナナの花のサラダ食みつつ
大木となりて咲くらん木蓮の樹形を空に大きく描く