久しぶりに 太郎が我が家の辻で ぼおっとしていた。車を止めて
「たろうぅ」と呼ぶと 振り向いて 「がぁお」と応じ
大地を踏みしめたように のしのしと来る。そして 顔を近づけ 撫ぜて欲しいらしい
ちょうど 魚屋の車が来て たろうは 慌てて避けて車の腹に入り 坂を下る。車はどうするべきか
迷いスピードを上げたが 太郎のすばやいこと。車が止まった。
あああ 太郎と暫し 遊びたかったのに・・・・そのまま 隣の家の露地に逃げ込んでしまった。
呼べば 返事をする猫なんて 余りいない。４歳の雄猫 太郎。
そうそう 太郎と呼んだら 私にガオゥと答えていたが その声に 我が家の小さなボイラー小屋の中から
「ニヤーァ」と艶っぽい声。なんと 換気のために開けた小さな小窓から 猫は入って暖をとっているらし
い。扉を開けたら 奥のほうから 飛び出して三毛の猫が逃げていった。太郎の恋人かな、愛人かな
許婚？そんなあぁ。まあ お友だちでしょうね。体格が良かったです。冬は猫も太り気味です。