塚本邦夫氏の「王朝百首」を ぼんやり読んでいる。雪の歌がないかなとページをめくると


うすく濃き野邊(のべ)のみどりの若草にあとまで見ゆる雪のむら消え

                                宮内卿(くないきやう)

そうそう 春はこんな風に来るよねと思う。また、


夢通ふみちさへ絶えぬ呉竹(くれたけ)の伏見の里の雪の下折

                                藤原有家(ありいえ) 

現実の雪のことというより 儚い恋の短歌です。春になってほしいですね。




次は、かわいい短歌です。20年前の自作です。 


すわってと我が背の雪を打ち払う息弾ませて小さき児童は


これは、体験なのですが 小学校二年生のかわいい女の子が 玄関に入ると何か言ったかと思ったら


風呂敷なのか布のようなもので いきなり叩きつけてくるので なんだこりゃと思っていると 私の雪を払


ってくれたのです。


いつも 家で爺ちゃんか誰かにやってもらっていることを 私にしてくれたのです。小さいから まず相手を座らせ


それから 勢いをつけて風呂敷を振り回して。爺ちゃんがしてくれるように 親愛の行為で。



真剣な眼差しに 感動。でも、吹き出してしまいました。ありがとう。


でも、そんなに勢いつけなくも、こんなにしなくもいいよなあと。


うれしかったです。