

大好きなムクゲの花が 咲き出した。白、底紅の白(宋旦槿)、ピンク、藤色、絞りなど家の北側の窓の下には この槿の花で夏は彩られる。一つ買ってきたらあの色この色と気になり とうとう集めてしまった。韓国の国歌である。一重の花が好きで、八重のものは植えてない。
さて、利休の愛した底赤の白とずっと思っていたが、ネットでみると利休の孫の宋旦と出ていて、ちょっと私が勘違いをしていたようだ。でも買ったときは槿の上に大方 大徳寺○○槿となっていたので 秀吉様から切腹をおおせつかった事件の寺の名前が付く花なので まあまあ。
直木賞を受賞した「利休に訪ねよ」山本兼人 ここにもこの花が ずっと出てきます。利休の想人の国の花でこの花のような人を利休は心に秘めていたのです。
この本は大変面白くて 途中で止まらず一気に読んでしまった。PHP研究所から出ている。細部にわたって気になり、ついつい読んでしまう。利休が切腹する日から書き出しがはじまり、その顛末が一つひとつ前にさかのぼっていく。利休の周りの人びとが皆出てくるので 大河ドラマの一場面を見るようなところがある。そしてなんといっても 作者はお茶道の所作、美意識など細かいので納得しながら読むのには 楽しい。
槿花一日自為栄 槿花(きんか)は一日なるも自ら栄となす
槿花は一日しか咲かないがそれでも素晴らしい栄華だと 白居易の詩の一節だそうです。一日花が茶席では好まれます。利休がずっと心の中で愛した想人がこの韓紅花の衣を来た高麗の人だったのです。