ケータイを握り締める掌に、
ジワリ、と汗が滲んでいく。
今、言わなきゃ ー 。
せっかくまさきの方から言う機会をくれたんだ。
怖がらずに、
ちゃんとまさきに、伝えなきゃ ー 。
覚悟を決めて ケータイ を握り直す。
『 あの、ね … 。 』
発した声が緊張で震えてるから、
1回咳払いして、
心を落ち着ける為に、大きく深呼吸した。
『 オレ、ね … 、
先生になりたい、って … 思ってる。 』
『 … 先生? 』
『 う、ん …… 。
今までオレ、
ずっと ピアニスト になるのが、夢だったんだけど …… 、
ピアノを、ね。
人に、教える機会があって、
それが、 … 凄く楽しくて … 、
先生の真似事をさせていただいてるうちに、
ピアノの先生になりたい、って思いが、
俺の中でどんどん、…… 強くなったんだ。』
『 ピアノの、… 先生 … ? 』
ケータイの向こう、
呟くような まさきの声に再び緊張が走るけど、
『 どんな子に、ピアノを教えてあげたの? 』
そう尋ねるまさきの声は、
呆れてる風でも、
責める感じでも、なくて
ただ純粋に 知りたそうな、
もっと言えば、ワクワクしているような 弾んだ声で、
『 まさか、女の子じゃないよ、ね? 』
茶化すように質問を重ねた。
予想外なまさきの反応に、
やましい事なんて何ひとつないのに、
『 ち、ちがっ …
お、んな の子なワケ …… そんな、ワケ ないでしょっ。 』
動揺が隠せずに、
しどろもどろで逆に怪しくなってしまうオレに、
『 …… 誰? 』
少しトーンが下がって不安気な声に変わるから、
慌てて
男の子との経緯を、
必要以上に事細かく、話して聞かせた。
ただ黙って、
時々 相槌を打ちながら聴いてくれてたまさきが、
オレが話し終わると、
茶化すでもなく、
不安気でもなく、
落ち着いた、柔らかくて穏やかな声で、
オレに言ってくれたんだ。
『 話してくれてありがとう、しょうちゃん。
僕、ね、
ピアノのことは分かんないけど、
でも、しょうちゃんが教えるの上手だ、ってのは 分かるよ。
だって、しょうちゃんから教わった勉強、凄く分かりやすかったから。
先生って夢、
しょうちゃんに ピッタリだよ。 』
しょうちゃんの夢、
僕、応援するよ ー 。
どこまでも優しい声が、
オレの緊張を解きほぐすように、
不安も、今までの思いも全て丸ごと、包んでくれた。
皆様、こんばんは。
遅い時間に申し訳ありません。
昨日は、本当にたくさんの方から、
我が子へのお気遣いの言葉をいただき、
その上私にまで優しく温かいお言葉の数々をいただきまして本当に本当に ありがとうございます!!
おかげさまで、子供もだいぶ回復しました。
むしろいつもより食欲があってビックリですっ。
皆様も、お身体崩されませんようご自愛下さい m(_ _)m
本当にありがとうございました!!
msksho