先日、映画『プリズン・サークル』を観てきた。
https://prison-circle.com/index.php?id=intro

友人のライター上野郁美さんがFBでこれを紹介していて、もう観ずにはいられなかった。
実は今回が人生初の「1人映画鑑賞」だった(笑)

内容は、新システムを導入している島根県の新設刑務所で、受講条件を満たした一部の受刑者が心の教育を受ける様子を追ったドキュメンタリー。

受刑者は、その教育プログラムの中で人と対話をし、自分の心の内を少しずつ言語化しながら、罪を償い、本来の自分や良心を模索していく。

加害者(受刑者)は、子供時代に愛情を知らずに育っている。貧困・虐待・ネグレクト・いじめ等、沢山の被害を受けて生きてきて、「罪悪」に鈍感になっている。だから、はじめのうちは自分の犯したことに対しても意識がとても低い。

ここの教育プログラムを受けられた受刑者には更生の可能性が感じられたが、全国の受刑者の殆どが、人との対話や心のケアのチャンスすら与えられず、むしろ人間らしからぬ扱いを受け続けて刑期を過ごすことになる。
これでは、多くの受刑者は報われないし、更生の余地がない、と私は感じた。

こうした現実を踏まえて
私達が今、日常生活で出来ることは
自分自身を、自分のまわりの人を「承認」することなんじゃないかな、と思う。

本田晃一氏の著書『半径3メートル以内を幸せにする』のプロローグの中にこんな話がある。

ある未開の小さな部族では、コミュニティの平和を乱すような人が出ると、その人を皆で取り囲む。

私たちの感覚ならば、ここで、彼に詰問し、正義を教え込むのかと想像してしまうけれど…

囲んだ彼らは、これまでその人の存在によって、どれほどコミュニティが幸せを感じられたかを披露しあうのだそうだ。

これにより、その人はもう二度と悪さを働かなくなるのだとか。

* *  *  *  *

「承認」って、とても大切。

あなたはそのままでいいんだよ
あなたはここにいていいんだよ
私はあなたを見ているよ
どんなあなたでも私はうけとめるよ

こんなふうに承認された人は
安心感を覚え、良心ややる気が湧いてくる。

でもこれ、実践するには
承認する側の強い意識と、自己肯定感が必要になる。

だって、自分を認められないと
人のことなんて認められないから。

でも、意識して続けていると
いつのまにか他者も自分自身も
認めて愛せるようになっていく。

見せかけや偽りの愛は、見返りを期待してしまい、それがないと不満になる。
でも、満たされた自分から溢れ出た愛なら、注ぐだけで幸せになれる。


前述の部族の話はとても美しい。
けれど、この広い世の中には、許してもらうことで、罪を犯さなくなる人もいれば、許されることに味をしめてまた罪を犯す人だっているかもしれない。

だから人間って難しい。

誰にでも当てはまるような正解は
絶対にないけれど、
生きていくためのより良い方法はあると私は思う。

まずは自分自身と回りの人のことを
感謝して
承認して
過ごしていきたい。