朝、珈琲を淹れる時間は楽しみの一つである。
出勤前のギリギリの時間であるがゆえに、
私は淹れるだけに時間を費やし、ゆっくり嗜むことがほとんどできない。
テイスティング程度である。
でも、淹れた珈琲を美味しくいただいてくれたら、それで満足である。
淹れた後に、「珈琲、どうぞ」と声をかける。
ところが、それが遅くても、早くても嫌味を言われる。
着替えをしている最中に言えば、急がせるなと言わんばかり。
何も言わずに、珈琲を手にした刹那に言えば、声くらいかけろと言わんばかり。
「本当に!」(本当にできないやつだな)と嫌々しく吐き捨てる。
タイミングとは難しい。
声をかけなければ、口にしないだろうし、ブツブツ言われる。
どうしたらよいのだ。
こちらにも時間がある。
すべて、その方の時間で動いているわけではない。
無視するわけにもいかない。
タイミングを覚えることを教わった。
ありがたいことだ。
今度から、早かったら、仏壇へのお供えは自分でやろう。
まもなく4カ月が過ぎようとしているが、
あの方はなぜ私たち家族が同居しているかすらおそらく理会していない。
義母は大変だけど代わってあげられないとあの方はつぶやくが、
義母の病気のことや辛さを誰よりも理会していない。
気の毒で仕方がない。
何はともあれ、義母の臍帯血移植はうまくいき、状態は少し安定し始めている。
まだまだこれからだが、快方に向かうよう、心から祈っている。