公益目的財産額の算定と不動産の価額

Q. 一般法人への認可申請を考えている法人です。

 賃貸ビルを所有しており、敷地を別法人から借り受け、相応の地代を支払っており、この関係から借地権も有しています。

 ここで、時価評価資産には借地権も含まれており、立地状況から評価額はかなりの金額になると思われますが、そもそもビル敷地は賃貸事業に使用するので、処分不能な資産であることから、「美術品、その他の資産」と同じ取扱いとして、簿価評価にとどめることは可能ですか。

A. 土地と有価証券は時価評価が原則です。移行後も引き続き実施事業に使用する美術品等の資産は時価評価が可能であっても帳簿価額とすることが認められています。本件の場合、ビルの賃貸事業は収益事業であって、収益事業の利益を実施事業等に使うということだと思います。

 まず、借地権であり、美術品等でないこと、次に、収益事業に使用する資産であり、実施事業に使用するものでないことから、帳簿価額によることはできず、時価評価が必要になります。





有価証券の評価方法について

. 「・・・市場性がない場合であっても評価を行うことが可能な場合は時価評価とする。なお、市場性がなく評価が困難な場合は当該有価証券の取得価額または帳簿価額とする。」(公益認定等ガイドラインⅡ1(4)のⅲ有価証券の評価の方法について)とありますが、市場性がない場合の有価証券の時価評価には、適正な帳簿価額による純資産額での評価額を含むのでしょうか。

 また、市場性がなく評価が困難な場合とは、具体的にはどのような場合でしょうか。

A. 市場性がない場合の有価証券の時価評価に、適正な帳簿価額による純資産額での評価額を含むかについては、実質価額法による評価として含みます。なお、評価が困難な場合は想定されていないようです。





公益目的財産額を減らすための財産の費消

Q. 同業者団体の社団法人ですが、公益目的財産額を減らすために、移行の前年に会員の懇親会等で多額に使用した場合、問題になることはありますか。

A. 一般社団法人への移行認可の問題ではなく、主務官庁制の下での指導監督の問題ではないでしょうか。





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移行認可、公益目的財産額の算定等



会費収入(公益目的財産額の減らし方)

Q.  一定期間、会費を無料若しくは引き下げるなどの方法で意図的に赤字を出して公益目的財産額を減らした場合、移行認可審査上問題になるのでしょうか(実質、利益分配ととられる可能性があるのではないかと危惧しています。)。

A. 移行認可の審査上、問題になることはないと思われます。



公益目的財産額と退職給付の移行時差異

Q. 一般法人に移行する場合、公益目的財産額を算定するに当たって、退職給付引当金をマイナスすると思いますが、その結果、正味財産がマイナスになった場合についてのご意見を頂けますでしょうか。

A. 公益目的財産額は移行時の時価純資産で測ります。従って、退職給付引当金の会計基準移行時差異を考慮すれば、それを決算に織り込まなくても時価純資産はマイナスになることがあります。公益目的財産額がマイナスになれば、公益目的支出計画を作成せずに一般法人に移行することになります。



不動産の損失と公益目的支出計画

Q. プロジェクトのために一時的に抱えている不動産を数年後に整理するため、正味財産が減ることが見込まれています。現段階で金額を正確に見積もることができないのですが、公益目的支出計画はどのように作成すればよいのでしょうか。

A. 現在、保有している不動産に含み損があるということならば、移行認可申請時の公益目的財産額算定の際にそれを織り込むことになります。現在、含み損がなくて、数年後の整理に際して売却損の発生が予想されるような場合は、当該不動産が実施事業資産として保有する不動産であるかどうかによって取扱が異なります。

当該不動産を実施事業資産として保有しない場合には、売却損を公益目的の支出とすることはできません。

当該不動産を実施事業資産として保有する場合には、減損損失認識時、または、売却時の公益目的の支出となります。



美術品の評価

Q. 美術品について、引続き実施事業に使用していれば時価評価せずに簿価で評価すればよいとのことですが、ホールや会議室・応接室にインテリアとして展示してある彫刻や絵画は、引続き実施事業に使用している美術品という整理でよいのでしょうか。

A. 法人において移行後も引き続き実施事業に使用するものの例として、美術品を展示する美術館事業などを一般法人移行後も継続してこれを行うような場合がこれに該当します。法人の使用している室内などにインテリアとして飾ってある彫刻や絵画はそもそも法人の実施事業として行っているものではないと判断されます。したがって、移行認可申請に当たって、当該彫刻や絵画は時価評価することが必要です。




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株式保有と公益認定

Q. 認定法では株式保有について制限されていますが、特別法等では株式の100%保有が求められているようなケースにおいて、公益認定を受けることはできないのでしょうか。

A. 議決権の過半数を所有している場合には公益認定は受けられません。


支部の取扱い

Q. 従来、一体的なものとして取り扱っていなかった支部を取り込んで申請する場合の注意点は何ですか。

A. もれなく取り込むことです。今後は予算管理なども含めて運営を一体的に行う必要があります。


学校法人の支援の仕方と学校のガバナンス

Q. 学校法人を支援する財団です。学校法人が使用した飲食代金の請求書が法人に回ってきて、それを支払っています。学校法人が支払いにくい費用を法人が負担しているような感じがあるのですが、このままの形態を続けてよろしいでしょうか。

A. 学校法人の規定では支払えないような費用を財団法人が支払っているとすれば、学校法人の不祥事に加担していることになる可能性があります。ガバナンス(企業統治)の観点からは財団法人は学校法人に寄付をし、学校法人は自らの規定に則った支出をするように変更することがよろしいのではないでしょうか。


経理的基礎:赤字が継続している法人について

Q. 基本財産又は特定資産(例えば10億円)の果実で運営している法人ですが、最近は赤字決算が続いています。このような法人の場合、毎年元金を2千万円取り崩しても50年間運営ができますが、継続期間を50年として移行認定は受けられますか。

A. 解散が予定されているとしても、公益目的事業を行い、認定基準を満たしていれば公益認定は可能です。経理的基礎には①財政基盤の明確化②経理処理・財産管理の適正性③情報開示の適正性がありますが、その内の「①財政基盤の明確化」には予定されている公益事業ができる財源が確保できるかどうかについての説明を求めるものであり、法人の永続性までを求めているものではありません。


一部でも公益事業を行っていれば公益認定は可能!

Q. 当財団は、収益事業である不動産賃貸業から得た利益で公益事業を運営しています。ここ数年、公益財団法人を目指すべく試算をしてきました。現状では、公益認定の要件を満たすことができます。

ただし、賃貸用建物が老朽化しているため、近年中に建替または改修が必要になります。建物を建替または改修した場合の試算をすると、建物の減価償却費等の増加により、「公益目的事業比率」の要件を満たすことが困難になることが予想されます。そのため、現在は一般財団への移行も視野に入れ、検討を重ねています。

当財団は、公益事業を運営するために不動産賃貸業を営んでおり、当財団設立の趣旨からも、本来は公益財団法人として運営していくべきと考えております。

他の同様の財団の事例や新しい情報などから、解決できる方法があればご教授いただきたいと思います。

A. 公益事業は公益財団法人で、賃貸事業は一般財団法人で行うように法人を分離し、一般法人の賃貸事業の利益を公益財団法人に寄付するようにすることも考えられます。










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