37年前、JR山手線の車内で、私の傍らにシルバーシート世代の男性が二人いた。
一人が、座っている男の投げだした足をけって、「足じゃまなんだよお」と、くってかかった。
吊り革につかまっているほうは少し酔っている。
けられた男は無言。
しかし目は怒りに満ちていた。
立っている男は、「ざまあみろ」といった感じでニヤッと笑った。
酔っぱらいは外の景色に気をとられ、男が右こぶしにハンカチを巻きつけているのがわからない。
なん駅か通り過ぎた。
すると突然、「ふざけんな」と、車内に響く声と同時に酔っぱらいをなぐった。
メガネがふっ飛び、男は倒れた。
一瞬のできごとであった。
起きあがったとき、なぐった男はもういなかった。
電車の中には、老人の哀れなわめき声だけが残っていた。
「敬老の日」から七日間は「老人福祉週間」。
老後を安心して生活できる社会にするために、どのようにしたらいいか…。
今年、古希をむかえる私も真剣に考えるつもりでいる。
ただし、お年寄り同士も、譲り合い、思いやりを持って仲良く暮らしてほしい、と願っている。
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