75歳の誕生日も間近な7月の半ば頃、頭痛を訴える母にかかりつけ医は、風邪薬を処方する。
だが、10日以上たっても全く効果ナシ。
あれよあれよという間に足腰がフラフラするようになっていく。
主人が休みの日曜日に、休日診療の病院に担ぎ込むと、熱中症だと叱られ点滴で熱中症治療を施され帰宅。
だけどその夜、母の様子はどんどんおかしくなり続け、翌朝にはもう自分で立ち上がることも出来ず、言っていることもどんどんおかしくなっていた。
トイレに間に合わず失禁し、クタクタと崩れ落ちる母。
さすがに救急車を頼んで、病院へ搬送してもらった。
意識はあるのだが、ただの熱中症とも思えず、検査、検査のオンパレード。
原因は特定できないが、髄膜脳炎だと言われた。
母は普段から毎日散歩もかかさず、週1のグランドゴルフや、地域のボランティアなど、とても活動的な人だった。
自転車で買い物にも行き、仕事をする私の代わりに、家事一切を仕切っていて、年齢の割に体力もあり若々しかった。
髄膜脳炎?
怖い病気ではあるけど、完治例も多い。
「きっと治る!」
家族の誰もがそう思った。