PADRONE工場見学 PADRONE×MEN'S SELECTION DeuX コラボブーツ | MEN'S SELECTION DeuX

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今日は先日、東京出張の際に伺ったPADRONEの工場見学の模様をご紹介します。
かなり長いですが、良かったらお付き合いください。

先ず外観の写真を忘れてました…
出足からすみません。


気を取り直して工場内に入ると工程途中の靴が棚に並べられています。


つり込み前のアッパーが整然と並んでします。
他にも当店でもロングセラーのこちらもありました。

そして…



これは!!今追加生産中のPADRONE×MEN'S SELECTION DeuXコラボブーツが!!!
コレです
滅茶苦茶良いタイミング!

と思ったら職人の方が気を利かせてこの日に合わせて調整してくれたそうです。
ありがとうございます!


ちなみにこんな状態です


ラスト(木型)に合わせてつり込み途中の状態です。この状態のものを職人さんが手作業で木型に添ってつり込んでいきます。


写真に収めようと思ったら作業が早くてボケちゃいました。この作業をしてくれている方は工場の長だそうです。


凄い勢いで作業が進んでいってますが、これがとても難しい技術だそうで一口に革と言っても人の肌と同じように全く同じ性質というのは存在しないので、それぞれ革の引っ張り具合が変わってくるそうです。

大量生産の安い靴はこの手作業が無く、この工程を機械で全て行ってしまいます。
一つ一つ性質が違うものをオートで同じ度合いで引っ張ると…

PADRONEも勿論、機械は使いますが、最後の微調整は手作業が入り全て修正することによって高品質を維持しています。


次は踵のつり込みですが皆さんこの上の画像の踵に空いている小さな穴、見たことありますよね?

この穴はこのように釘を打った後なんです。

ファスナー横と製品時は隠れますが踵の裏側の2か所です。

店頭に並んでいる靴を見て、ファスナー横の穴を不良品だ!なんて言っちゃいけません。
踵をつり込む際にアッパーとラストがずれないように固定するために釘を打ち込んでいます。
手間はかかってしまいますが、この釘を打つ事によってアッパーがラストからずれてしまわない為の工程となっています。
これが空いていると言う事はむしろ一足一足手作業で作られている証ともいうべき穴となります。


この状態を機械に入れて踵に釘を打ちます。


ちなみにこの靴の丁度中心辺りに付いている細長い金具、これがシャンクと呼ばれる靴の背骨のような役割を持ったパーツとなります。
このシャンクが足のアーチを支え、体重がかかっても底に歪みを生じさせない役割を果たします。PADRONEのシャンクは画像のようにしっかりとビス留めしてありますが、他ブランドの中には爪上のもので引っかけて止めるタイプも存在するようです。


この踵に釘を打つ機械がこちら



この工程もこともなげにササっとやってしまっていますが、この工程もかなりの技術が必要との事です。
この写真を撮るのに機械の速度を落としてもらってやっと撮れた一枚です(汗)

釘を打ち込んだ状態がこちら

そしてこのままだと革底を取り付ける際に隙間があるのでこれを平らにする作業になります。
平らとはいっても木型の底面はまっ平らではないのでここでも手作業が入ります。

先ずは機械でザっと削ります。



この機械だとこのような状態になります。


これを更に手作業で削ります。


全体的にRがかかっているので、ここでも熟練の経験と勘でギリギリまで削っていきます。


踵もしっかり丁寧に削られていきますが、この工程も早い!!

下の画像の右側が手作業前のビフォー、左側がアフターとなります。

今回の見学ではここで終了となってしまうのですがこの後につま先側にコルクが張り付けられその後ソールが取り付けられます。

そして最後にPADRONE秘伝の配合をしたオイルを塗り込み磨き上げられていきます。

この工程は最後の仕上げ段階となるのでこのブーツでは見学できませんでしたが、その代わりこの日私が履いていたPADRONEのスニーカーで作業を見学させていただきました。

先ずはビフォー


全体的にカサついている状態です。お客様には日頃の手入れが大事って言ってるくせに自分のはあまり気にしてなかったです…

右足を先に磨いてもらうので違いを見比べてみて下さい。
先ずは汚れやホコリを落とすブラッシング。


縁のところに溜まるので重点的に。


次はクリームを塗って人の肌でいう保湿をしてあげます。


塗り終わるとこんな感じです。ちなみに右足側がクリームまで塗った状態です。


右足(画像左)の方がややマットな質感に見えるのは補色もしているのでこれから磨くと見違えるような光沢が出ます。


この作業が終わるとこの機械の出番です。


この機械の丸いところ(黒っぽいところ)が高速で回転し固形ワックスをシューズに塗り込んでいきます。この機械もコツが必要とか。


作業開始


おお!もう光ってます!
そしてこのビフォーアフターをどうぞ

右足の何とも言えないこのツヤ感!!まるで見違えるような光沢が復活しました!
履き続けることによってできるシワも一人一人独自の物が出来るため、日頃から手入れすることによって使用期間がぐんと伸びていきます。

そしてPADRONEはアフターサービスとしてオールソール交換も修理も承っています。
PADRONEには常時修理品が届くそうですが今回はオールソール交換の修理方法を簡単にご紹介。


中敷き・中底・本底を新品に取り換えるのでこの3つを取り外します。


取り外したアッパーだけの状態がこちらです。
今まで自分が履くことによってできたアッパーの雰囲気はそのままにそれ以外の部分が全て新品の状態になります。

それ以外にもライニング(アッパーの内側の革)交換やファスナー&ジップ交換、アッパーリフレッシュ(お色直し、再加工)も可能です。
(※各種修理及び交換において靴の状況により修理不可となる場合もあります。)


最後になりましたが素朴な疑問として良い靴、悪い靴を見分け方は?と尋ねたところ…
色々とあるけど良い作り、悪い作りを見分ける個所としては機械より手作業がものをいう箇所、つり込みの部分が見分けやすいと教えて下さいました。



製品時にこのつま先や踵部分にシワが寄っているものは基本的に流れ作業で作られている可能性が高いそうです。

それ以外だと左右が非対称だったりといったパッと見でも分かる個所も忘れずにチェックしてみて下さい。

最後に今回見学させてもらった別注ブーツの金型をご紹介して終わりにさせていただきます。




再生産中の別注ブーツは入荷次第またご案内させていただきます!!