4月から小児心理外来を開始した山口県の周南病院で、先日4月28日に倉成央先生による市民講座;テーマ“子どもの不登校・学校不適応を考えるセミナー~心理カウンセラーから見た、不登校・学校不適応~”が開かれました。参加された方の中には施設職員の方もおられ、地域の方々に知っていただき、理解していただく機会となりました。
今回は、不登校・学校不適応の背景にあるものや心と身体の問題、いじめの問題などについて、事例を交えながらのお話でした。
「学校に行きたくない」と子どもが訴えてきたとき・・・親は解ってあげたい反面、我が子が大切だからこそ将来のことを考えると学校に行ってほしい気持ちもある。だから「今行けないなら無理して学校に行かなくていいよ。でも・・・」と言う。“でも”と言うと、それまでの話の内容を全否定することになってしまうという『対応』のお話。
また、不登校や学校不適応の背景にある心理的な問題として、親子関係やいじめの問題があり、最近では本人ですら原因がはっきりと分からない(多くは「いい子」を脱出することでパワーを取り戻す)というものが挙げられるということ。
また、ADHD等の軽度発達障害傾向が影響している場合もあるというお話でした。このような傾向は、検査を通して把握することができます。病気かどうかの判断ではなく、個性を把握し、その個性に合わせた形でサポートすることで、子どもの個性を尊重し伸ばすことができ、本人にとっては心地よい生活、また親御さんのストレス軽減にも繋がります。よって、関わりを試行錯誤しながら本人に合った支援方法を見つけていくことを大切にしていくこと等、周南病院における小児心理外来の方針についてもお話していただきました。
次回は9月4日、いじめの問題について同市民講座が開かれる予定となっております。
受田恵理