参政党 神谷議員の国会質問:財政金融委員会/質問主意書2件(公的機関の職員の国籍、尖閣諸島における我が国の施政)

2023年11月9日

 

 

5ヶ月ぶりに財政金融委員会での質問でした。
・非正規雇用の縮小
・消費税の減税
・再生可能エネルギーの開発への懸念
などを訴えました。(神谷)
 

【動画】

令和5年11月9 参議院議員 神谷宗幣 国会質疑 財政金融委員会 財政及び金融等に関する調査

 

【質問主意書2件】
令和5年10月31日付で下記の通り質問主意書を提出しました。政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。

『公的機関の職員の国籍に関する質問主意書』
 
私が令和五年六月十五日に提出した「公的機関の職員の国籍に関する再質問主意書」(第二百十一回国会質問第一〇九号)に対する答弁書(内閣参質二一一第一〇九号。以下「本件再答弁書」という。)の送付が内閣からあった。
本件再答弁書の一についてでは、「一定の時点における全ての職員の国籍を把握することは独立行政法人において膨大な時間を要」するとしている。しかしながら、我が国の公的機関に外国籍の職員が採用され在籍している実態を正確に把握し、適切に管理されているかを確認することは、我が国の主権に関わる重要事項であり、時間がかかるから調査できないで済まされる問題ではない
令和五年六月には、国立研究開発法人である産業技術総合研究所の研究データを中国企業に漏らしたとして、国防七校の教授を兼務していた中国籍研究員が逮捕されたという不祥事(以下「本件事件」という。)があったばかりであり、この事件の教訓からも、実態調査とそれに見合った情報保全措置を含む対策の確立が必須である。
同様に、私が令和五年五月十八日に提出した「公的機関の職員の国籍に関する質問主意書」(第二百十一回国会質問第七八号)に対する答弁書(内閣参質二一一第七八号。以下「本件答弁書」という。)の二において、「外国籍職員の国籍及び国籍別の人数並びに所属及び役職を明らかにすることにより、個人が特定されるおそれがあり、プライバシー保護の観点から、答弁を差し控えたい」と答弁し、プライバシーを理由に、右のとおり二度にわたり質問主意書への答弁を行っていない。しかしながら、「外国籍職員の国籍及び国籍別の人数並びに所属及び役職を明らかにすることにより、個人が特定されるおそれがあり」との文言は意味不明と言わざるを得ないものであるとともに、問題のすり替えである。氏名等の個人情報が開示されていない状態で直ちに「個人が特定」されることとはならない。
実際、過去においては、独立行政法人のうち研究開発型法人について、在籍する常勤外国人研究者の国籍(地域別)の内訳を内閣府が調査して公表している(平成三十年度独立行政法人等の科学技術関係活動等に関する調査(平成二十九事業年度))。
 
また、私が令和五年五月二十三日に提出した「我が国の防衛技術開発を忌避する日本学術会議が中国の軍事技術開発を担う国防七校と我が国の大学機関との共同研究等の提携を不問にしている矛盾に関する質問主意書」(第二百十一回国会質問第八一号)に対する答弁書(内閣参質二一一第八一号)では、国防七校から、三十九人が日本の大学に留学していたことが明らかにされている。これらの際にプライバシーが問題とされたことはない。
外国籍職員が「日本国民全体に対する奉仕者」として職務に従事する上での担保(宣誓や職制)をどのように実施しているのか示すことさえ、プライバシーを理由に拒否するとすれば、我が国の公務員のあり方の根幹を揺るがすとともに、国民のために奉仕する公的機関を外国の影響とコントロール下にさらすという由々しき事態を招くことになる。国民全体の福祉と安全に責任を負うべき政府が、公務員の採用に際してその者の国籍を把握し、データを公表することは国民に対する義務と言うべきである。
以上を踏まえ質問する。

一 以下の独立行政法人について、在籍している外国籍職員の総数、国籍及び国籍別の人数を示されたい。
1 国立研究開発法人産業技術総合研究所
2 国立研究開発法人科学技術振興機構
3 国立研究開発法人物質・材料研究機構
4 国立研究開発法人理化学研究所
 
二 政府は、本件答弁書及び本件再答弁書において、「各独立行政法人においてその業務の遂行に必要な人材を適切に確保している」としているが、前記一で取り上げた諸機関の外国籍職員の採用方法は、推薦によるものか、公募によるものか、もしくは別の方法か、明らかにされたい。
 
三 政府は、本件再答弁書において、国籍把握をすることは、「海外に事務所を設置する独立行政法人においては、現地での採用活動や事務所の運営に影響を及ぼすおそれがあることから、現地で採用する職員について国籍を確認すること自体が困難な場合がある」としている。国籍把握をすることが「現地での採用活動や事務所の運営に影響を及ぼすおそれがある」とは、具体的にどのようなことなのか、示されたい。
 
四 外国籍職員が「日本国民全体に対する奉仕者」として職務に従事する上での担保をいかなる措置で保障しているのか。本件再答弁書において、「服務規律の保持のための宣誓」について回答されたが、宣誓がやぶられた場合の機関としての処分や刑事責任の追及の具体的なあり方、さらにそれぞれの機関が担保として実施している措置について示されたい。
 
五 本件事件のような、外国籍職員を採用した国の機関からの技術・情報の海外流出を防止するために、いかなる再発防止策を講じる計画か。具体的に示されたい。
 
右質問する。

『尖閣諸島における我が国の施政に関する質問主意書』

令和五年十月二十二日現在、尖閣諸島の接続海域で中国公船が七十九日間、連続で確認されている。海上保安庁によると、尖閣諸島周辺海域における中国海警局に所属する船舶等の数は、我が国が尖閣諸島を国有化した平成二十四年の翌年に激増して以降、継続的に尖閣諸島周辺の接続水域内入域及び領海侵入を繰り返している。また、領海侵入時間は長期化しているという。
最近、中国海警局は、尖閣海域に出漁した日本の漁船を追いかけるように領海侵入をし、同漁船を名指して「中国領海に侵入した」と発表し、尖閣の「実効支配」の実績を重ねるような姿勢を見せている。これに対し、海上保安庁は人員体制が全体でわずか一万五千名弱という最低限の規模しかないにも関わらず、二十四時間複数の船舶で接続水域に遊弋しながら、領海への侵入や我が国の漁船の操業への妨害を繰り返す中国海警船に対峙し、尖閣諸島の実効支配と周辺の安全をぎりぎりの努力で維持しているところである。
一方、中央における政府の対応は、「遺憾の意」を示したり、その先の措置も曖昧なままの「警告」を発したりする態度に終始している。これでは、一向に中国側の行為が収まらないのも無理がない。むしろ、我が国の対応を甘く推しはかることで、中国の強引な力による「現状変更」の試みが日増しにエスカレートすることにつながっている
こうした一連の中国の行動は、かねてよりその個別の事態では、武力衝突や交戦状態に至ることにはなっていないものの、時間をかけさらに小さく行動を積み重ねることで、大きな戦略的状況の変化を図り、初期の目標を達成すると「サラミ・スライス戦術」と呼ばれている。
尖閣諸島が歴史的にも法的にも、我が国の固有の領土であることは明白である。このような中国側の動きに対抗して、我が国の主権と領土・領海・領空、そして経済水域や埋蔵資源の将来的確保を通じて国益を保障していくには、我が国の管轄権下にある領域に侵入し、勝手に「主権主張」を行い「実効支配」をデモンストレーションするような行為に対し、ひたすら対峙することにとどまらず、断固許さないような対処が必要である。ただただ、口頭での抗議に終始することは、結果として座して相手の善意で不法な行為を中止することを期待するにすぎず、現実には中国側の不法行為はエスカレートするばかりだというのが、少なくとも尖閣諸島の一部の国有化を我が国が図った平成二十四年以降、現在までの状況である。
尖閣諸島とその周辺の我が国の領土主権、経済活動上の権限を正当に維持するためには、不法な行動を公船で繰り返す相手側の行動を先取りして対処する、能動的(プロアクティブ)な対応こそ求められる。日本の守りを強化するためには、防衛力及び海上保安能力等の強化、日米を軸としたフィリピン、インドネシア、カナダ、インド、台湾その他、公的海域の安全を守るために協力する諸国との連携を強化することが重要である。世界の共有財産といえるシーレーンの安全確保のためにも、実力で自国権益の拡張を主張し「現状変更」を試みる国の横暴を抑える国際的な包囲と説得のリンケージの推進とともに、我が国における政治・経済・防衛などの総合的な国力を土台とした力強い外交を展開することが重要である。
 
以上を踏まえ質問する。
 
一 松野官房長官は、令和五年十月二十日の記者会見で、米グーグル社が尖閣諸島の表記に中国名を併記したことに関し、「尖閣諸島がわが国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いがない。情報が国内外に正しく発信されるよう適切に対応していく」と述べた。我が国の施政下にある領域での領土主権が脅かされているいま、適切な対応を行わなければ、国際世論でも日本の実効支配と主権が認識されなくなる懸念さえある。政府は、松野長官の「情報が国内外に正しく発信されるよう適切に対応していく」と述べたことについて、どのように具体化するのか、現在行っていることと併せて、今後強化していく措置について詳細に説明されたい。
 
二 政府は、尖閣諸島での我が国の主権と周辺海域及び排他的経済水域での操業の安全を守るため、どのような中長期的戦略を有しているか。年々、公船の大型化とともに、接続水域から領海にまで連日のように侵入するようになった中国の「実効支配」のアリバイ作りを狙った行動に対して、これを断念させて主権喪失の脅威をなくさせるために、今後、いかなる対処を実施するのか。
 
三 我が国による尖閣諸島の実効支配、施政権の保持を明確に示す上で、各島に測候所や漁業の安全操業のための施設、周辺海域と島嶼での安全を確保するための公務員常駐などの措置を検討すべきという意見がかねてより見られる。政府は今後、尖閣諸島の実効支配を担保するために我が国の主権維持の決意を示すとともに、外国漁船や通過船舶の操業や航行の安全も含めて島嶼と領海、周辺海域の安全確保のための措置を取るべきと思うが、今後、こうした点を踏まえていかなる措置を取っていく計画があるのか、示されたい。
 
四 尖閣諸島が重要土地利用規制法の注視区域や特別注視区域に指定されなかったことについて、高市早苗経済安全保障担当大臣は、尖閣諸島が国有地であることから、第三者がいつのまにか国が知らないうちに所有したり、賃借したりして機能阻害行為を行うことができないのだから、そもそも利用規制を行う必要がない旨発言している。この発言は、尖閣諸島のすべてが国有化されているのではない事実からも誤った認識と言わざるを得ない(米軍が射爆撃演習場に使用している久場島は引き続き、民間の所有である)。そして、実際には接続海域及び領海への侵入が繰り返され、かねてより多くの中国側民間人が上陸してきた実績があることからすれば、重要土地利用規制法で定義された機能阻害行為が生じる懸念があるのではないか。政府の見解を示すとともに、実際、過去における外国人による尖閣諸島への不法な上陸行為に際して、いかなる対処を行ったのか、すべてのケースについて具体的に示されたい。
 
五 前記四で指摘したとおり、尖閣諸島のうちの久場島は民間所有のまま、日米安全保障条約及び日米地位協定に基づく提供施設として米軍の訓練のための射爆撃演習場とされている。日米安全保障条約及び日米地位協定に基づく提供施設とは、通常、米軍の求めに応じて日本側が主権の及ぶ領土内から使用に供するものである。したがって、尖閣諸島に米軍に対する提供施設が存在することは、提供を受ける米軍側も久場島に関して日本の領土主権を認めているということになる。米国はこの間、尖閣諸島に関する日中間の主張に関して「米国は領土帰属について判断しないが、施政権は日本側に存する」と述べ、これを根拠に安保条約第五条「共同防衛」の適用が尖閣諸島にもあるとしているが、現に日本から同地で射爆撃演習場の提供を受けていることや、そもそも尖閣諸島全体が昭和四十七年に沖縄県の施政権返還と同時に米国から日本へ返還された経緯から見てもおかしな見解である。この際、米国に対して尖閣諸島には歴史的に見ても、沖縄県と同時に返還された経緯や安保条約上の施設提供の事実から見ても日本に明確な領土主権があることを認めるよう確認するべきと思うが、政府の見解を示されたい。
 
六 令和五年一月、石垣市と東海大学の調査チームが尖閣諸島魚釣島周辺で環境調査を行い、ドローンを使った上空からの調査を実施したところ、環境が急速に変化し、尖閣諸島周辺固有の動植物などの生態系を維持できない恐れがあることが分かったという。尖閣諸島の貴重な生態系維持のために、政府は今後いかなる措置を講じることを計画しているか、示されたい。
 
七 政府は、尖閣諸島が国有化されて以降、行政権を管轄する自治体である石垣市による上陸調査等を認めていない。これは地方自治体の権限に対して政府が不当に制約している事案だと思われる。いかなる理由で政府は石垣市による上陸調査を認めないのか。その法的根拠は何か、明確に示されたい。
 
右質問する。