0から1を生み出す力/これからの時代に必要なもの(能力)とは?
2023年4月9日


さて、いきなり質問です。
刃を出して切る、切れ味が悪くなったらポキッと折ってまた使うものってなーんだ?
はい、そうです。その名はカッターナイフ。
実はこちら、日本生まれだってご存じでしたか?
以前、日本人が作った発明品を調べていた時にこのことを知り、発明へと至るエピソードを読んで感銘をうけました。
というわけで、ここからはそのお話を。



さて、カッターナイフを発明されたのは、オルファ株式会社の創業者である故・岡田良男氏。
あの、黄色と黒の色をした、よく切れるカッターの会社です。
ちなみに、オルファって「折る刃」から、来ているんですって。
開発の経緯としてあるのがこんな感じ(簡易にまとめています)。
時系列を数字で、また、カッコ内は岡田氏が感じられたことを書いています。

「カッターナイフが出来るまで」―岡田氏の物語
1.工作好きな子ども—岡田氏の実家は、戦前、印刷屋をしていた。
2.その実家は空襲で焼け出されてしまった。
3.岡田氏はその後、電気工の見習いとなり、後に印刷会社に勤めることになった。
4.印刷会社では、紙を切る時にカミソリを使っていた。
  けれどもすぐに使えなくなるので捨てていた(もったいないし危ないと思ったし、そもそもカミソリって、それ用じゃないし…)
5.街に出ると靴職人が靴底を削る時にガラスの破片で削っていて、
  切れ味が悪くなると、それをまた割って使っていた(危ないなぁ…)
6.戦後、街を闊歩していた進駐軍は、板チョコを割って食べていた。
  (あらかじめある溝に沿って、板チョコを割りながら食べるってすごいなぁ)

というわけで、「カミソリの刃」×「ガラス破片」×「板チョコ」
この三つが合わさった時に閃いたもの・・・、それが、
ポキッと折るだけで切れ味よく幾度も使えて、かつ安全でコンパクトな、カッターナイフという発明品だったんです!
なので、別名、ジャパニーズナイフ。

とはいえ、最初に出来上がった3000本は、ガタガタしていて、使い物にならなかったのですって。そこで、昔取った杵柄の出番。
電気工だった経験を生かして、一本一本手入れして、完成品を作っていったのだそうです。・・・いやぁ、天晴れ、ですね。
私はこのエピソードを読みながら、日本人が抱く「もったいない」という心、必要なものを創造するというあくなき探究心と技術力。
「ものづくり」の国 日本の気概をみたように思いました。

今後、ますますAIが台頭してきて、今までの仕事が立ち行かなくなるかもしれない現代。統計やメモリーなど、すでに到底及びませんが、だからこそ、AIには出来ないけれど人間ならできる、というものは何だろうかと考えてしまいます。
うーん・・・。
やはり、「人間である」こと、「人間らしさ」そのものが、価値あることになっていくんでしょうね。

上記の例でいくと、危ないのは嫌だと思う感情やもったいないの感性、何かと何かを組み合わせた時に何ができるかと発想する心、最後まで諦めずに良きものを作ろうとする意思と気魂などがあったからこその発明なのだと思います。
そう考えると、
感情や感性、発想力、共感力、ぬくもり、思いやり・・・。
それらの総体を踏まえた上で、何かを生み出していく、ということ、そんな無から有への想像・創造が、今後ますます仕事や暮らしにおいて大切になっていくのでしょう。

余談ですが、シューマイもエビチリも、中華の回転テーブルも、出前というシステムも、はたまたスリッパまでもが日本から生まれたもの。
うーん、イケてますなぁ、先人たち。

さあ、人生100年時代。まだしばらくは楽しめますね。
アタマとココロとカラダと手を存分に使って、面白いもの、つくろうよ。たのしいこと、いろいろやろうね。
日々の暮らしの中にある創造の種を、ワクワク拾いにいって、嬉しい明日を迎えにいきましょう。
それではまたね。Ciao,ciao.
はせくらみゆき

 

【0から1を生み出す力】 ―これからの時代に必要なものとは? ―

 

私もちょうど、これからの時代に必要な力(能力)をまとめていたところでした。

 

これらの力をつけるには、今の学校でやっている管理教育・偏差値教育では出来ません。むしろ逆のことをやっていますね。

そして、創造力を発揮するには、健全な心が必要だと考えています。

 

※増上寺の潅仏会