季節を生きる/清明
2023年4月4日
清明の時期と由来
清明(せいめい)は、春分の後に続く晩春の季節です。
「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也」・・・『暦便覧』-太玄斎
清明の時期:新暦4月5日~4月19日頃
清明(せいめい)とは「清浄明潔」を略したもの。春の清らかな陽光を受け、万物が明るく生き生きとした様子であることを表しています。
中国では「清明節」といって先祖の墓参りをする習慣が古くから続いています。
清明の行事・イベント
■灌仏会(かんぶつえ)
灌仏会(かんぶつえ)は、お釈迦様の誕生を祝う仏教の行事で、一般的に4月8日に寺院で行われています。たくさんの花を飾った花御堂(はなみどう)を作ってお祝いすることから「花祭り」とも呼ばれます。
※キリスト教でいうところのクリスマスのような行事
■茶摘み
日本では、鹿児島で4月上旬頃から茶摘みが始まるようです。中国では清明節の前に摘まれる新茶を「明前茶」と呼んでいます。
清明の七十二候
清明をさらに約5日毎に初候、次候、末候の3つに季節を分けたのが七十二候です。
■第十三候 玄鳥至(つばめきたる)
清明の初候
新暦4月5日~4月9日頃
ツバメが渡来する時期という意味
■第十四候 鴻雁北(こうがんかえる)
清明の次候
新暦4月10日~4月14日頃
冬鳥の雁が北へ帰る時期という意味
■第十五候 虹始見(にじはじめてあらわる)
清明の末候
新暦4月15日~4月19日頃
虹が現われ始める時期という意味
清明の草花
■紫蘭(しらん)
花言葉:「あなたを忘れない」
開花時期:4月~5月
紫紅色の美しい花を咲かせることから紫蘭(しらん)と名付けられました。栽培し易いため造園用の花として普及していますが、野生のものは絶滅危惧種に指定されています。
生薬としての紫蘭の効能
紫蘭の根は白及(ビャクキュウ)という名の生薬で、止血や解毒の効果があります。
■水芭蕉(ミズバショウ)
花言葉:「美しい思い出」
開花時期:4月~5月
葉の形が芭蕉の葉に似ていることから水芭蕉と呼ばれるようになりました。花に見える白い部分は「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれるもので、中央の黄色い部分が花です。
■木蓮(もくれん)
花言葉:「自然への愛」
開花時期:3月~4月
木蓮(もくれん)は中国原産、その花の姿が高貴であることから寺院などに植えられ尊ばれてきました。日本にも平安時代には伝来してきたと言われています。
■山吹(やまぶき)
花言葉:「気品」「崇高」
開花時期:4月~5月
山吹(やまぶき)は万葉集にも歌われるほど古くから親しまれてきた花で、現在も日本全国でみることができます。
清明に食べたい!旬の食べ物
■鰹(カツオ)
鰹(カツオ)は初夏の「初がつお」と秋の「戻りがつお」の年二回旬を楽しめます。加熱して乾燥させたかつおぶしは、定番のおだしに最適です。
カツオの薬膳的効能
カツオは気血を補い消化不良を改善します。貧血や不眠の改善にも効果的。
■じゃがいも
じゃがいもは南米が原産で紀元前から食されていたといわれています。煮物や揚げ物など様々な調理法で味わえる身近な野菜です。
じゃがいもの薬膳的効能
じゃがいもは胃の機能を調節し、消化吸収を高める効果があります。むくみや高血圧の改善にも有効。
■韮(ニラ)
スタミナ食としてのイメージが強い韮(ニラ)、疲労回復や免疫力アップ効果が期待できます。風邪や肌荒れの予防にも有効。香り成分の硫化アリルは血液をサラサラにし、動脈硬化予防や狭心症を予防する効果があります。
ニラの薬膳的効能
ニラは陽気を補い腎の働きを高めます。身体をあたため、冷えや腰痛の改善、滋養強壮に効果的です。ただし、身体を温める作用が強いためのぼせやすい体質の人は食べすぎに注意。
清明の時期に大事なこと
清明「今まで何だか解らなかったものが、正体を現す時期」
新学期、新生活が始まる時期であり、今まで潜めていたものを表に出していかなければならない時期となる。
新しいことをするので、エネルギーを必要とする。なので、体調を壊しやすい時期でもあり、人間関係や自然界、ストレスが生じることも多い。
また、過去(去年)との決別の時。さくらの時期=世の中は変化し続ける。
今年は桜が散るのが早かった。
昔の人は、自然からエネルギーを得ることを重要視した。
自然の中に身を乗り出して歩く、野に行く。郊外に出てみる。
非日常的で、外で自然界のエネルギーを取り入れて身体に免疫力をつけていくこと。
陽を浴び、歩こう!
※4/8(土)の花祭り・灌仏会に行ってみてはいかがでしょうか?
お寺によっては甘茶が振る舞われるところもあります。