欧州銀行危機、次はドイツ銀行か?
2023年3月26日

欧州銀行危機:ドイツ銀行はエプスタインを助けて儲けた。
ドイツ銀行の株価が急落している。また、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が急騰。
※信用リスクに対して保険の役割を果たすデリバティブ契約のこと



ドイツ銀行の2つの大きな問題


①エプスタインとの関係
3/20 ザ・ガーディアン


「JPモルガンとドイツ銀行はジェフリー・エプスタインとの関係をめぐる訴訟へ」
エプスタインの資金は、ドイツ銀行にて管理されていた。マネーロンダリング(資金洗浄)の可能性がある。
そんな中、マンハッタン連邦地裁は、JPモルガンとドイツ銀行が性犯罪者エプスタインとの関係から、故意に利益を得ていたとする訴訟を進める判決を出した。
まだ裁判にはなっていないが、訴訟を進めることが決定されたのだ。
エプスタインの資金を最初に預かっていたのはJPモルガンで、その後にドイツ銀行に移ったようだ。
ドイツ銀行は、40人の未成年の少女が、エプスタインに対して性的暴行の訴えを起こした後でも、2013年にエプスタインを顧客として受け入れた。→だから問題
マンハッタン連邦地裁:
「エプスタインの児童人身売買はJPモルガン、そして後のドイツ銀行の援助なしには不可能だった。」と言っている。

②AT1債について
3/19 フィナンシャルタイムズ


「スイス金融当局が、UBSのクレディスイス買収・救済策に伴い、クレディスイスのAT1債を無価値に」



2兆円以上が無価値に!クレディ・スイス「AT1債」の衝撃【コラム】 | NHK
 

BIS規制・バーゼル合意とは?

2008年リーマンショック後に設けられた合意のこと。
→自己資本比率を8%以上に。株式とAT1債で6%以上にすること。


一般に社債など債券の弁済順位は、株式より上位とされている。預金はさらに手厚く保護されており、金融業界では上の図であらわした項目について、下に行くほど弁済の順位が低くなる。


AT1債(CoCo債)とは
そもそも永久債で償還期限がない債券。つまり返済の義務がない。
AT1債の特徴:
金利が高い。その代わり、金利支払い停止も有り得る。返済しない。元本削減や、株式転換も有り得る。
限りなく株式に近い債券。リスクが高い

AT1債投資が増えた理由
欧州のマイナス金利。その為、機関投資家は運用難だった。
そこで、金利の高いAT1債が人気になった。個人ではなく機関投資家向け。

ドイツ銀行再建計画(破綻の危機があった為)
1.2割の人員削減
2.株式売買業務から撤退
3.自己資本比率を13.6%に

→市場の信用を得た。そして、AT1債を多数発行した。
→この結果、ドイツ銀行破綻の噂は無くなった。


しかし、そこにクレディスイスが破綻した。
クレディスイスのAT1債が無価値化された。
他の銀行のAT1債まで価値が下落。
特に、AT1債発行の多いドイツ銀行が問題になったということ。

 

【動画】

2023.3.25【ドイツ】欧州銀行危機、次はドイツ銀行か