季節を生きる/立春

2023年2月4日

 

立春の時期と由来
立春(りっしゅん)は、大寒の後に続く初春の季節です。
「春の気立つを以て也」・・・『暦便覧』- 太玄斎
立春の時期:新暦2月4日~2月18日頃
立春は春のはじまり、暦の上では2月4日の立春からが春の季節となります。旧暦では1年のはじまりであり、この日が正月でした。
中国や台湾など中華文化圏では、現在でも旧暦の立春を「春節」と呼び、新しい1年のはじまりとして新暦の新年よりも盛大に祝います。

立春の行事・イベント
■春節

春節とは、中華圏における旧暦の正月のこと。特に中国では一年で最も重要な祭日で、多くの人が故郷へ帰省し家族と共に年越しを過ごします。
※2023年の春節は1月22日から
大みそかの夜は家族と一緒に「春晩(チュンワン)」という日本の紅白歌合戦のような歌謡番組を見て、年明けには盛大に爆竹を鳴らしてお祝いするのが一般的な習慣となっています。
日本でも中華街では春節のお祭りを開催しているので、そのにぎやかな雰囲気を味わうことができます。

■事始め・事納め

2月8日と12月8日は事八日と呼ばれ、どちらも事始めと事納めの日です。

その解釈には二通りあり、正月の歳神様を祀る場合には、2月8日は「事納め」となります。一方、農作の神様を祀る場合には2月8日は「事始め」となります。
※「事八日(ことようか)」とは
旧暦12月8日と2月8日を「事八日(ことようか)」と言います。事八日には2通りの解釈があり、地域によってその習慣が異なります。
①新年に年神様を迎える意味の場合:12月8日が「事始め」、2月8日が「事納め」
②農作業を指す意味の場合:2月8日が「事始め」、12月8日が「事納め」

■初午(はつうま)

初午とは2月の第一午の日に稲荷神社で行われるお祭りのこと。
※2023年の初午は2月5日
「稲荷」の語源は「稲生り」と言われており、稲荷神は豊作や商売繫盛の象徴として祀られてきました。稲荷神が降臨する初午の日に全国の稲荷神社で初午祭が行われます。
稲荷神の使いであるキツネの好物、いなり寿司を食べるのが習わしです。

■バレンタインデー

言わずと知れた冬の一大イベント。日本では一般的に女性が意中の男性へチョコレートを贈る日として定着しています。一方、海外では男性が女性に花束を贈ることが多いようです。

立春の七十二候
立春をさらに約5日毎に初候、次候、末候の3つに季節を分けたのが七十二候です。

■第一候 東風解凍(はるかぜこおりをとく)

立春の初候
新暦2月4日~2月8日頃
春を呼ぶ風が氷をとかす時期という意味

■第二候 黄鶯睍睆(うぐいすなく)

立春の次候
新暦2月9日~2月13日頃
鶯(うぐいす)が鳴き始める時期という意味

■第三候 魚上氷(うおこおりをいずる)

立春の末候
新暦2月14日~2月18日頃
氷の間から魚が飛び跳ねる時期という意味

立春の草花
■梅(うめ)

花言葉:「不屈の精神」「高潔」
開花時期:2月~3月
梅の原産地は中国。日本には早くから渡来してきており、万葉集には梅にちなんだ歌が119首もあるとか。

■沈丁花(じんちょうげ)

花言葉:「栄光」「不滅」
開花時期:2月~4月
中国やヒマラヤ地域にかけて分布しており、日本に伝わってきたのは室町時代。その香りが沈香という木に、花は丁花という花に似ていることから沈丁花と名付けられました。

■節分草(せつぶんそう)

花言葉:「人間嫌い」「光輝」
開花時期:2月~3月
節分の前後に花を咲かせることから名づけられました。かわいらしい姿が魅力的ですが、現在は数が減量してしまい絶滅危惧種に指定されています。

■日本桜草(にほんさくらそう)

花言葉:「初恋」「かわいい」
開花時期:2月~4月
平地や高原に咲く日本古来の伝統的な花。江戸時代頃から園芸用として親しまれてきました。

■ビオラ

花言葉:「誠実な愛」「信頼」「忠実」
開花時期:2月~5月
パンジーと似ているビオラですが、一般的には花の直径が3~5センチ以上のものがパンジー、3センチ以下のものをビオラと呼ぶそうです。品種が多く様々な色を楽しむことができます。

■雪割草(ゆきわりそう)

花言葉:「信頼」「忍耐」「内緒」
開花時期:2月~4月
早春の、まだ雪が残る時期に咲くことから雪割草と名付けられました。正式名は三角草(ミスミソウ)といいます。

立春に食べたい!旬の食べ物
■いちご

いちごといえば「あまおう」や「とちおとめ」などが有名ですが、他にも100種類以上もの品種が商業用として登録されています。ビタミンCが豊富で甘酸っぱい味が特徴、冬の果物です。
薬膳的には・・・
いちごは胃の働きを高める作用があるため、食欲不振や消化不良の改善に効果的です。ただし身体をやや冷やす作用があるため、冬場の食べすぎには注意。

■えのきだけ

えのきだけの旬は11月から3月ですが、現在では一年を通じて買うことができる身近な食材です。冬場には鍋の具材として活躍します。
薬膳的には・・・
えのきだけは血を補い、胃腸の働きを高め、水分代謝も促進するため、胃もたれや便通の改善に効果的。

■韮(にら)

スタミナ食としてのイメージが強い韮(ニラ)、その独特な香りに含まれる硫化アリルには血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化や狭心症の予防に効果的です。
薬膳的には・・・
ニラは腎の働きを助け、陽気を補うため、身体を温める作用があります。足腰の冷えや腰痛の改善に効果的です。ただし、身体を温める作用が強いため、のぼせやすい人は食べすぎに注意。

■ブロッコリー

ブロッコリーの原産地は地中海沿岸部で、ローマ時代から食されていたという記録もあるとか。日本では戦後の高度経済成長期以降に普及し始めましたが、今ではすっかり定番の野菜です。
薬膳的には・・・
ブロッコリーは気を補い、胃腸の機能を高め、消化吸収を促進する作用があります。疲れやすい体質の人にオススメです。
 

「暦」を通して残したい本質

 

立春を暦元とした雑節

 

→1年の中でも最も体調に気を付けなければならない大寒が終わり、今日から立春となりました。

いよいよ本格的なスタートです。今年の目標を実現すべく、頑張りましょう!