日本の危機が始まった今年を振り返る~大変化と躍動の時代を生きる私たちは幸せ~松田学

2022年12月25日

 

文責:松田学

 

いよいよ2022年も残り一週間、今年最後のメルマガコラムとなりました。

この一年を振り返って、ウクライナ戦争が続く今年の漢字には「戦」が選ばれています。

では、私にとっての今年の漢字は…?先日、私のチャンネルで対談をした赤尾由美さんに訊かれ、「躍」と答えました。参政党の党員が「大活躍」して国政政党に「飛躍」した年。では、赤尾さんは…?「動」。選挙戦でこんなに全国を動き回った年は初めてだったからとのこと。本当にゴレンジャーにとってはそんな一年でした。参院選後もコロナモードチェンジが加わって、年内は最後まで、週末は全国各地へと「動」を続けることとなりました。

では、私と赤尾さんの二人を併せると…「躍」と「動」。つまり、「躍動」。今年は党員や支持者の皆様にとっても、まさに躍動の年になったと思います。ただ、日本人全体にとってみれば、今年は稀なる異常な年でした。これだけ予想しなかったことが次々と起こる年になったのは、戦後初めてかもしれません。

 

2月にはウクライナ戦争が勃発し、まさか起こらないだろうと思っていた核戦争がひょっとしたら起こる?事態になっています。7月に安倍元総理が暗殺されたのも異常ですし、ペロシの訪台直後に日本のEEZ内に中国からミサイルを撃ち込まれたり、習近平三期目入り後からは台湾有事がいつ起きてもおかしくない緊迫した状態になるなど、日本の安全保障環境も激変し、防衛費のGDP比2%が国民にすんなりと受け容れられるまでに、日本人の危機意識がこれまでになく高まっています。

ここで私たちが注目しなければならないのは、これらの事件が、三年目に入ったコロナパンデミックやワクチン禍とも相まって、日本が海外勢による世論操作に極めて脆弱な国であることを、まさに露呈させたことではないかと思います。そして、これら危機の背後にはグローバリズム全体主義がある。今年は、これが馬脚をあらわした年でもありました。

ただ、日本の危機はまだ序の口。今年は今後も拡大が続く危機が始まる年だったとも総括できるかもしれません。今年躍進を遂げた参政党もそうです。出る杭は打たれるで、党へのバッシングはこれからますます高まるかもしれません。大事なことは、参政党がこれで鍛えられることで持続可能な強い政党へと成長することではないかと思います。

 

防衛増税と政局

さて、防衛費の倍増をすんなりと受け容れた日本国民も、年末に突如として現われた増税は簡単に受け容れられるものではありません。これは、参加型民主主義を唱える参政党の立場からみても、財政民主主義の観点から看過しえない事態です。私は参院選の最中から、自民党が選挙に勝てば、選挙では有権者にひと言も言っていない増税を、岸田政権は間違いなく打ち出すだろうと訴えてきましたが、その通りになりました。

その岸田総理にとって今年の漢字は…?といえば、「進」だそうです。これについては、増税だけが進んだから「税」ではないかとか、逆に後退の「退」ではないかという声も…。「退」とはもしかすると、増税で進むことになった「退陣」への道?

 

この年末の政界の話題といえば、何と言っても、この「防衛増税」でした。与党内からは早速、批判の声が高まり、ついに実施時期は2024年度以降とされるなど具体的な内容の正式決定は先送りされましたが、岸田政権が続く限り増税自体は行われることになります。

ただ、党内からの批判は、唐突な意思決定のあり方や、デフレ経済のもとでの国民心理への悪影響など、主として手続きやタイミングなどを問題視する声が中心でした。

 

私が主張するように、「世界最大の対外純資産残高を30年以上も続ける日本の4千兆円にのぼる金融資産のポートフォリオの構成を国債増発で少しだけ変更することで、専ら海外を豊かにしてきたマネーの流れを国のまもりや日本人の豊かさに活用することこそが、最大の安定財源だ」といった本質的な政策論を、もっと展開してほしかったと思います。

国防は、私たちが過去から受け継いできた日本国家を未来永劫にわたって永続させるもの。特に現在は、日本の主権すら脅かされるほどの危機です。現時点での国防の利益は現世代だけでなく、子々孫々に及ぶもの。こう考えれば、同じ国債でも、償還期限の定めのない永久国債か、少なくとも超長期国債が妥当でしょう。

防衛は現在の世代の政治(=国民)の責任でと言う岸田総理の頭には、こうした意味での国家観が欠如しているのでしょうか…。

 

国債発行は無責任という発想自体、「財務省支配」?を思わせるものがありますが、私が参院選の時から、岸田総理は増税のメニューを次々と打ち出すと街頭などでも訴えてきたのは、ご自身に確たる政策上の理念があるようには見えない岸田氏が、「聞く力」を国民に対してではなく、霞が関官僚たちに対して発揮することになると考えられたからです。

防衛増税だけではありません。横文字やアルファベットが大好きな現政権が進めるGXでも、GX債と言ってきましたが、そもそも欧州利権のために進められている脱炭素とかカーボンニュートラルを再エネで推進するためには、莫大な国民負担が不可欠です。加えて「子ども予算倍増」。これも国民負担(消費税率引上げ?)に直結する話ですが、税の論議は来年以降とのこと。

 

これだけ増税へのレールを敷いてくれる総理を財務省はありがたがっているかもしれませんが、政界はそうはいきません。政治ジャーナリストの山口敬之氏が、増税決定翌日に「昨日の増税決定で政局が始まった。岸田おろしが始まった。2024年度以降にやる、ならば2024年までに増税が来るという時限爆弾が仕掛けられたことになる。」

同氏は参院選後の「黄金の三年間」で政局があるとすれば、財政規律派と積極財政派との党内抗争だろうと、以前から予言していました。さらに同氏は、一部保守系から「岸田を批判すると次は河野になってしまうから、岸田を応援しよう」という声が出ていることを痛烈に批判しています。

ただ、そもそも「次は河野氏にはならない」とも。「議員票を40票しかとれない、9割がた茂木だ。あるいは菅と安倍系が一枚岩で組んだら茂木の対抗勢力になる。」(山口氏)この話の通りなら岸田氏は政治的には窮地に陥る可能性がありますが、財務省としては岸田は増税シフトへの流れを作ってくれたので、もう要らぬ人になった、「あとは茂木が増税を実行してくれればいい」…?旧大蔵省時代を彷彿とさせるしたたかな財務省が再現?

 

グローバリズム全体主義とワクチン禍が露呈した一年

ただ、「財務省支配」よりもっと大きな問題がありそうなのが、グローバリズム勢力による日本の政権支配のほうかもしれません。先日、朝のワイドショー番組「モーニングショー」に対し、視聴者からの非難が殺到したそうです。出てくるのはコロナの後遺症のことばかりで、ワクチン後遺症のことを全く取り上げないのはおかしい、と。

いよいよ国民も気付き始めたようです。それでも、最近、海外で暴露され始めたファイザーと各国政府との秘密契約のことがあるのか、日本政府はワクチンの副反応死を正面から認めることができず、相変わらず膨大な予算を、毒性が強くオミクロンには効かないワクチン購入へと注ぎ込み続けています。

 

最新の医学研究によれば、現在、日本が「感染大国」になったのも、免疫力を低下させてかえって感染を拡大させるものであるワクチンを、世界一の接種率になるまで頻回接種していることによるもの。自民党代議士が私に明かした本音は、「ワクチン禍のことは分かっていても、党の立場上、表立って言えない」…。

海外では接種が控えられつつある、このmRNAワクチンの頻回接種を、未だに国民に勧め続ける岸田総理は何かに怯えているのか…?先の安倍元総理暗殺事件についても、その真相を誰も解明しようとしないことについては、似たような構造があるのかもしれません。

参政党が何かとお世話になっている危機管理コンサルタントの丸谷元人氏は、安倍氏暗殺後に生じた不可思議な事態に加え、日本人が羊の如く実験場であり続けてきた様相などについて、松田政策研究所CHでの私との対談で、大変鋭い指摘をしています。その前半部分は、次からご覧いただけます。

(一番下に掲載)

ここでは以下、この一般公開されているYoutube番組ではなく、ニコニコチャンネルで会員限定で配信された番組後半の中から、日本の国や参政党の危機管理を考える上で参考になると思われる部分をご紹介したいと思います。

 

誰もが真相を追及しようとしないことが示す日本の危機

今年の数ある異常事態の中で最も異常さを感じさせた事件は何かといえば、それは安倍元総理の暗殺事件だったかもしれません。丸谷氏によると…、

「まともに『なぜ』を誰も議論しないかのかが最も怖い話だ。あれを調べたらやられてしまうということを、なんとなく皆が感じている。そもそも日本は、現役の大臣や政治家が不審死をしている国だ。首を吊った…など。みな忘れるが、政治家の暗殺?という事件は他の先進国よりずっと多い。我々はそんなに思っていないが、他国からみるとそうだ。」

「今回の違いは歴代総理がまさに暗殺されたこと。地下鉄サリン事件を『事件』と言っているようなものだ。『テロ』でなくしている。背後に何かあると感じている人が多い。闇が大きすぎるように感じるがゆえに、一歩も踏み出せない人と、テレビを見て怖いね、山上が可哀そうに分かれている。ごく一部を除いて真相追及のガッツが誰にもない。追及すれば殺される、痴漢にされる、そういった社会的暗殺を恐れている。」

誰もが追及しない、もやもやしたものがある。これが戦後からある日本の現実。政府筋から脅されているという言論人もいる。これが危機であるという意味は、誰が殺したかよりも、簡単に殺され、風化させられてしまうような言語空間しか許されていないこと。」

「勇気がない人たちが大半になっているので、やっている側はもう一度やっても大丈夫となり、次々とやられて、いいなりになる。その中で誰かが立ち上がって、違うんではないか、恐怖の脅しに屈しない、自分が死んでも仲間が意思を継いでいくというものを作っていかねばならない。一人に頼ってはいけない。理想を共有する人をたくさんつくり、リーダーを斬っても、あとから雨後のタケノコのように出てくるようにすべきだ。」

「俺が引っ張っている、ではなく、同じレベルで語れる人がたくさんいるというのが国を守る。参政党がそういう政党であれば、唯一の希望だ。ボディガードはつけてもダメになったときは次の人がどんどん出てくる構造にしておく。」

「安倍さんが亡くなって以降、自民党は腑抜け状態。これがいけない。次が出てこないとならない。あれだけ世話になっていたのでは?なぜ、『かたきをとるぞ、兄貴』が出ないのか。殺されても戦う人がいない。清和会もみんなサラリーマンだったのか。」

 

米国の分断は、日本より先行して国民が目覚め始めたことで起こっている…

「米国も音を立てて壊れていっている。三年前から内戦だと言われてきたが、今なら、まさに内戦だと言う人が多い。2020年のBLM(ブラック・ライヴズ・マター)は中国でいえば文革のようなものだ。それで分断して互いに戦わして弱体化する。1%の超トップが最下層を分断して戦わせて統治している。」

…ある調査によると、米国民の4割が「連邦政府は秘密結社によって操作されている」と考えているという結果が出たそうですが、丸谷氏は…、

米国民が目覚め始めているのに対し、日本が惰眠をむさぼっている。だから米国は分裂し始めている。目覚めている人たちがいるからだ。ウクライナ戦争ふざけるなという人たちもたくさんいる。ベトナム戦争で何もなかったという歴史も経験している。」

「ワクチンはおかしいという人たちに対し、インフルエンサーが反ワクチン派は学歴や収入が低くて、というカテゴライズをしている。トランプ派もそうされている。レッテルを貼ろうとしているあなたは誰なのかが大事。カネがどこから出ているかを見ないと戦えない。反ワクチンは反科学とされており、ここは心理戦でもある。」

 

日本は実験場、日本国民はあまりに羊…これからは「気候変動」が全ての原因に

「日本は人体実験場。これまでも、そのように位置づけられてきた。広島や長崎も人体実験だった。7月に降伏すると日本は言っていたのに、原爆を落とした。ソ連の近代化を助けたのは米国だった。ソ連の脅威に備えて原爆を投下したというのはまやかしだ。」

日本人は世界でもいちばん健康的だし、島国で情報統制しやすく、医師もデータ管理をきちんとやってくれる。羊のボスたちが、殺される自分たちをちゃんと管理してくれる国だ。実験台としては最高。空襲もそうだった。都市爆撃では保険会社を連れてきた。戦前の火災発生件数の統計に基づいて焼夷弾攻撃で、一晩で東京で10万人が亡くなった。」

「GHQが言論弾圧のために『焚書』をしたのも実験だった。イラクを対日占領方式で統治しようとしたが、イラク人はもっと骨があって、アラーだと言った。それで米国は撤退。日本人は従順すぎる。モルモットである。残念なことだが…。我々はモルモットでないぞ、と、いずれ国民も気が付く時が来ると思う。」

「人を疑わないのは美徳かもしれないが、海外ではアホである。考えた結果信じようというのと、やたらに信じるのとは異なる。日本人は一緒に飯を食ってカラオケすると相手を信じてしまうが、中国や韓国は、そこから日本に賠償請求するネタを探し始める。失敗したときのために日本に責任をかぶせる担当マネージャーを置いたりしている。」

「セキュリティで大事なのはアマノジャクの精神。そんなわけない、という突っ込みが必要。日本人はひっかかりやすい。ハニートラップでは、恥ずかしくなるのがもっとよくない。皆様に御迷惑?迷惑かけていない。過剰に恥ずかしがって、謝ることを教えるスクールまである。日本ほど過剰に謝り倒して、30秒頭を下げる角度まで研修する機関もある。」

「共和党が下院の多数を占めて、ファウチは逃げようとしている。間違いなく、責任追及を恐れて。次のパンデミックは準備していると思う。」

「ただ、これから起きるすべての問題は気候変動が原因にされるだろう。氷が解けてウイルスが出てきた…食料がないのも気候変動。それに対して疑問を出してはいけないことになっている。我々の思考能力が下がっているので、気候変動を批判すると陰謀論だと言われ、そこで思考がシャットダウンする。気候変動と言って、そこには必ず利権がある。」

「アフガンで武器が売れなくなると、バイデンがウクライナ戦争へと煽った。ヌーランド国務次官は、『プーチンがこれだけ簡単に乗ってくるとは思わなかった』と。」

 

来年に向けて、日本は、参政党は…絶望を共有すれば希望が生まれる

「参政党を見ていると、新党なので色々ごちゃごちゃあるが、そういう妨害活動はもっと増える。それを見てやめる人たちも増える。左右から潰そうという力が働く。組織をどう防衛するか。それができなければ、この国を再興させることはできない。」

「代表者よりも、党員の皆さんが、そんなことで分裂していたら大きな敵とは戦えない。上も下も理念が大事。雨後のタケノコのように第二のゴレンジャーが出てこないと、こんな戦争には勝てない。」

「来年は参政党を鍛える年だ。仲良しよいこちゃんパーティーだと自らを弱体化させるだけ。内外からの攻撃で強くなっていく。来年が大切。1~2年経ち、3年後には強くなる。」

「今の岸田はもうダメ。では河野なのか?かつて、外国の情報関係の人が、将来は岸田、河野、小泉と言っていた。今更ながら思い出す。ちゃんとそうなったなと。河野の人気は世論調査でそうなのだが、これはいくらでも操作できる。ウソはいけないが、編集はOK。」

「例えば、この丸谷-松田対談について、丸谷はナチスの支持者であり、松田は毛沢東礼賛者だとする脚色は、いくらでも簡単にできること。そういう攻撃をやられたことのない人は慌てるが、大したことないとすべきもの。去る人が去っても仕方ない。去る人は同じことをやる。それで踏みとどまってくれる人と組む。」

 

…この丸谷氏との対談で私とまさに意気投合したのは、今の時代が、人類の歴史でみても滅多にない大変革の面白い時代だということです。危機だらけで絶望しそうな世の中ですが、そんな中にあっても、こんなに大きく世界が変わる時代に生まれた我々は幸せだと、思考を切り替えてみてはどうでしょうか。

危機の時代をむしろ、楽しんでみる。現在の危機は序の口であり、それで絶望しても、絶望できるのは幸せなことだと考えてみる。絶望を多くの人たちと共有できれば、希望が生まれます。その場が参政党です。

この年末にかけて某党関係者による参政党に対する妨害活動が酷くなり、12月14日での新橋駅前の街頭演説では、私の声が聞こえなくなるほどの拡声器による妨害が行われ、街頭演説会が中止に追い込まれるという事態まで発生しました。ただ、それをやればやるほど、党内の結束は強まると考えるべきでしょう。

 

日本が強くなることへの妨害工作は、今に始まったことではありません。安倍総理の改憲が「もりかけさくら」で妨げられた通りです。今年はそうしたグローバル勢力の存在が日本でも明確になった年でした。

いまや10万人政党となり、全国にも200近くの支部が設立された参政党が、自党の危機に対して結束して臨み、強い政党へと飛躍できるかどうかは、もしかすると、これから本格化する国難を日本国民が結束して乗り切れるかどうかの試金石になるかもしれません。そんな思いで新しい年を迎えたいものです。

皆さま、良いお年をお迎えください。来年も日本のために、子どもたちの未来に向けて、ともに時代を楽しみながら躍動してまいりましょう。

 

【参考動画】

特番「ウクライナ危機、安倍元総理暗殺!激動の2022年を危機管理のプロと振り返る!」松田政策研究所代表 松田学 × 危機管理コンサルタント 丸谷元人氏